山形県 朝日連峰 袖朝日岳撤退・徳網山

 【期日】    2015年04月11日(月曜日)〜 04月13日(水曜日)

 【メンバー】  CL (Qさん)、TI (合計2名)

 【交通】
 04/11 (往路)大宮(つばさ123号新庄行集合)⇒09:24米沢⇒レンタカー⇒12:30小国駅⇒
           ⇒13:30「樋倉橋」先 徳網山登山口⇒徳網ゲート
 04/13 (復路) 徳網ゲート8:52⇒五味沢「りふれ」入浴⇒レンタカー⇒米沢(つばさ122(東京行)13:40⇒15:22大宮(解散)

 【コースタイム】
 04/11 11:56徳網山登山口280m→13:32徳網山(V788)13:46→14:57徳網山登山口15:03
    ⇒15:17徳網ゲート15:31→16:36除雪最終点→16:38駐車場(幕営)
 04/12 幕営地5:17→大石橋5:19→5:53吊橋→6:24取り付き尾根末端→標高点639m6:49→
    →標高点843m→8:56県境尾根→9:13標高点1018m西コルで停止・袖朝日岳往復を諦めて休憩9:53→
    →所々で1時間超の長い休憩をとりながら往路を下山→尾根取り付き点13:32→
    →13:46角楢小屋手前の丸太吊橋→引き返す→14:57駐車場(幕営)
 04/13 幕営地7:49→8:34徳網ゲート

 【コメント】
徳網山
 朝日連峰の西朝日岳から南西に派生する尾根の末端にある。徳網集落の目印になる丸い里山である。徒歩道が整備されているので残雪期でなくても登山を楽しむことができる。頂上からは荒川の左右にそびえる朝日連峰を展望できる。祝瓶山から下山してあるいは登る前にチョイと足を延ばすとよい。
 残雪がある時は壷足で、新雪の時はワカンやスノーシューで歩くのがよかろう。
袖朝日岳
 徳網山がある県境尾根では最も高い峰である。朝日連峰の中でも経験者向きの秘峰だ。薮尾根を歩くので残雪期に登る人が多い。往復に長時間を要するといわれているので天候の安定が肝要だ。。
 今回は残雪がすでに県境尾根から落ちてしまっていたので途中で撤退せざるを得なかった。残念ではあるが挑戦は若い人たちに任せよう。
【記録】
《04/11》
 大宮駅でやまびこ・つばさ連結でひと迷いしたがどうにかQさんと予定通り車内で出会うことができた。春から冬に巻戻している車窓外の風景を楽しみつつ米沢に着いた。駅近くのJRレンタカーでQさんが手続きを終え、トヨタの軽自動車に荷物を積み込んだ。米国で運転免許をを取って以来、30年も日本でペーパードライバーであったTIにはQさんのお手伝い(運転)ができないのは辛い。70歳を越えたので自動車運転免許更新をギブアップした気後れもある。
 Qさんは堅実。まず五味沢(朝日平)の「りふれ」(電話0238-67-2011)に寄って管理の女性から温泉と昼食の開業日・時刻を確認した。
 「りふれ」の駐車場に返って周りの山の残雪や道路の除雪の具合を見た。雪が少なく今回の山行も薮漕ぎだと覚悟した。
 今日は曇空の上、ともかく雲の足が早い。 Qさんの改定プランに従い、まず本日中に徳網山を片付けることになった。
 直ぐに樋倉橋についた。左手に「徳網山登山口」道標柱がある。一度は見落としたが引き返して(右手)農道に入った。すでに車二台が駐車していた。「人気のある山だな」と思うが、Qさんにとっては付け足しの山のはずだ。尾根の向こうの丸い山が徳網山であろうか。周囲は残雪が覆う田(?)畑であった。
 雪雲が流れる徳網山登山口(標高280m)を出発した。山裾の雪に目印になる二本の杭が立つ。看板が落ちて柱だけが残ったのかも知れない。幸運にも杉人工林野中の残雪に先行者の踏み跡があった。
 積もった杉の落葉や所々の残雪を辿り、斜面を登って派生尾根の上の緩斜面に着いた。そこからは急な斜面を登ることになる。所々の泥道に足を取られる。登りつめて徳網山の支尾根に合流した。雪に埋もれたイワウチワの花がそこここにあった。見上げると青空がチラリと覗いたが直ぐに低い雲に隠された。緩やかな尾根の残雪を踏んでブナ高木林に入った。
 荒川の谷間の奥には朝日連峰が見える。登るに連れて丸い徳網山の頂上も木々の間から見えるようになった。が、小雪がちらつきだし再び隠れてしまった。
 標高点505mがある細尾根を登り、主尾根の標高点636mに合流した。下薮があるブナ高木林の中の平坦な尾根分岐だから目印や踏み跡がないと帰りは通り過ぎてしまうかもしれない。注意が肝心だ。雪が積もった二重山稜を過ぎると尾根は次第に細くなり、木々も低くなってくる。木立の奥に黒く見える徳網山の山頂が次第に大きくなる。残雪がようやく切れずに続くが、これは降り続いているお化粧雪のおかげであろう。
 標高700mを過ぎると岩稜が始まる。岩稜をわずか進んだ地点で頂上から下ってきたグループに出合った。前後2人のガイドに挟まれた約10人の男女がわれわれに声を掛けてすれ違っていった。「こんな雪の日に私たち以外に徳網山に登る人がいるなんて吃驚した」と山形訛りなかった。東京からの方が多いのか。Qさんは「邪魔にならないように駐車してある」とガイドに伝えた。
 頂上に近づくにつれ祝瓶山から大朝日岳に至る朝日連峰がはっきり見えるようになった。空には鉛色の雪雲が広がっている。その下の稜線近くは残雪があるが所々に薮が出ている。それより低い尾根や斜面は黒々とした山肌が広がっていた。見れば徳網山から東の稜線(柴倉山や針生山)も雪が消えて薮山になっていた。明日が心配である。
 徳網山山頂には立派な木製の山名標が三等三角点(787.8m)の傍らに立っている。山名標の先には荒川の谷間を挟んだ尾根が続いている。左岸には登山道がある朝日連峰、右岸には西朝日岳から袖朝日岳、檜岩屋山に続く残雪期にしか歩けない尾根が続いている。明日登るのだが残雪が見えない。
 山頂から、南西を見て小雪の中を下る。遠くに白く見えるのは飯豊連峰だろうが雪雲でハッキリしなかった。下っていった人たちの踏み跡の上にも小雪が積もり消えかけている。吹雪ではないので尾根筋をしっかり確認できる。主稜線から支尾根への分岐点も行過ぎずに左折した。変化がない広い尾根の薮を化粧雪が隠しているので思っていたようになかなか難しかった。 その後は尾根なりに登山口に下山することができた。登山口は風雪に一変していた。
 大石橋手前の駐車場まで車で到着できることを期待して徳網山登山口を出発した。徳網集落を通り抜ける最中に重機を積んだトラックとすれ違った。末端までの除雪が終わっていると喜んだが、集落を抜けた途端、舗装が切れた地点(標高点421m)でチェインゲートに出くわした。南京錠でガッチリと閉まっている。「なんで」と思ったがしょうがない。

 ゲート外に駐車して大ザックに荷を詰め込んで出発した。2013年秋にマイクロバスで大石橋から下ってきた道を今日は重い荷を背負って登ることになる。除雪済みの舗装路が続くのに再び「何で」と思う。休憩して行動食の餡パンを頬張る。除雪最終点は大石橋寸前の所であった。残雪の上に登り、荒川に向かって下った。記憶にあるトイレが立つ駐車場(420m)に直ぐ着いた。前回は祝瓶山からここまで下ってきてマイクロバスに乗ったのだ。雪上にテントを設営しつつ、沢音と小鳥の囀りを楽しんだ。トイレはドアを板で張ってどうにも利用できなかった。

《04/12》
 薄明にあわせてテントを出た。大石の吊橋を渡って次に沢を渡る。一本橋の上には霜が降りているので靴が滑らないように注意して渡る。次いで右手に三角屋根の小屋をみて夏道の上に積もった雪の上を歩く。
 このコースにある美しい平を幾つか通った。ブナの大木が雪の平にに立つ風景はここしかないのかも知れない。平から次の平に移る小沢は渡渉しなければならない。残雪が多ければ何のことはないだろうが今年は渡渉点を探さねばならない。何時ものことだがQさんのトレースがTIには「有り難や」になった。
 
 無雪期にはなんら障害はないだろうが崖を下って吊橋の白布橋に取り付くのは注意が肝心だった。登り下りに使う補助のロープが雪の中に埋まっているので頼りは木の根と潅木である。白布橋が踏み板一本だがワイヤーを掴んで渡るのは大石橋と同じだ。足元に隙間がないだけ不安がない。
 吊橋を渡り終わって残雪の上を歩み、白布沢を渡渉した。例年なら残雪が残って沢とは思わずに通り過ぎるのだろうが・・・。当初幕営予定は白布平であった。重い荷物を背負って吊橋や一本橋を渡るには高齢の我々にはそこそこの問題がある。大石橋駐車場に幕営して良かった。「白布沢から県境尾根に登った記録がある」とQさんは言うが沢から取り付く尾根への斜面(崖か)は暖冬で黒々していた。

 山の端から遅い日の出が輝いた。取り付きに着いて見上げるが支尾根には雪が全くない。声には出さないががっくりした。尾根の高木の下薮には笹などがそこそこ茂っている。薮めいた登山路だと見込んでQさんの後を追った。登るにつれ尾根が細くなり五葉松がブナを追い払う。五葉松の根や幹を掴んだり抱えたりしながら登った。標高点639m辺りで休む。振り返ると正面に祝瓶山があった。五葉松の下には薮がない。その代わりに尾根をふさぐ太い幹と盛り上がる根が足元を邪魔をして楽には進めない。雪が尾根を覆ってくれていたらと滴る汗を拭った。

 標高750mを過ぎてようやく出てきた雪堤を登る。直ぐに薮・泥の急斜面の急斜面に代わった。左右のの草付から見て残雪が崩落した跡とと思われた。抜けて薮尾根を落葉樹、五葉松と反復しながら登り続けた。

 激薮を抜けてようやく県境尾根に登りついた。徳網山、針生山から袖朝日岳・西朝日岳に至る尾根だ。昨日、徳網山から見たとおり残雪が消えうせ、薮が続いている。麓からは尾根に雪堤が続いていたように見えていたが尾根に登ってみると雪堤はすでに斜面に落ちて県境尾根には激薮が続いていた。Qさんの調査で「薮をかわした北斜面」にも雪がなく、頼りになる木も疎らな薮が茂る崖であった。落ちたらクワバラ。どこを進めばいいのだ。好天だが空しかった。

 県境尾根の激薮を進んでコル手前で待つQさんと合流した。檜岩屋山への稜線を睨んでQさんは託宣する。「すでに4時間、目の前に続く薮を漕いで檜岩屋山を越えるにも計画した時刻をはるかに過ぎる」との見解だ。「その先、袖朝日まで70歳を過ぎた我々(Qさんはすでに74歳)が往復できるのか? そこまでするか?」とおっしゃる。話し合いの結論は「ここで撤退する」だ。今冬の小雪・暖冬をうらめしく思った。

 再び県境尾根を薮と格闘しながら帰る。支尾根の激薮は逆茂木に素直にしたがったのでむしろ楽しみながらの下りであった。好天のおかげで美しい祝瓶山と飯豊連峰を望むことができた。山座を確かめる。手前の檜岩屋山が大きく見えるので袖朝日はハッキリしなかった。遠くに双耳峰が見える。

 昨日登った徳網山を谷間に見て下る。支尾根も世間で言う酷い藪(激藪)が続いた。よく登って来たと思った。下って標高点843m辺りで日向ぼっこ休憩をとった。暖かいお茶と行動食をとりながら風景を楽しむ。渡ってきた夏鳥も囀っているいる。楽しい。これこそが高齢者向きの登山に違いない。県境尾根を見上げると雪堤がズレ落ちたのは支えていた下の残雪が斜面から落ちてしまったせいだと分かった。なるほど「りふれ」の管理人さん等の地元の方々が「今年は異常」とおっしゃっていたわけだ。

 再び激薮に突入して尾根を下る。荒川の谷間を鷹が舞うのを見つけたり、カラ・エナガ混群がブナ林を囀りながら移動するを楽しみながら薮や五葉松の尾根を抜けた。取り付きに近づくにつれブナが大木になった。荒川側の斜面にはイワウチワとカタクリが同時に開花していたので、しばし写真撮影タイムとなった。

 時刻も早いので尾根取り付きから角楢小屋へ足を運んでみた。尾根取り付きからはブナ大木林が立つ「平」であった。良く見ると雪の上に踏み跡があり、目印テープもある。角楢小屋が対岸に見え、吊橋への夏道はこれだなと思える窪地を歩む。荒川の右岸の薮切れめの赤テープがあった。袂まで行ってみると吊橋は一本丸太である。「豪雪地帯であるから雪落とし」とQさんは理解を示したが大ザックを背負って渡る登山者には冷や汗ものであろう。だが「これも無事に渡ってみれば登山者の良い思い出になる」とは思った。踏み跡は大朝日に登る登山者か角楢小屋を見回る方のものであろう・
 角楢小屋を確認し、夏道案内の赤テープに従って荒川沿いに下った。平坦であるから残雪期も夏道が安全に使える。渡渉や白布橋の渡りも復習であるから危険はない。大朝日・祝瓶分岐で、かって下ってきたときの想い出をQさんに話した。Qさんは祝瓶から葉山に下ったので今回のコースは初めてだという。TIも葉山には登ったがそれに続く朝日連峰に登るなど、当時は思いもしなかった。朝日連峰は奥深い。
 「平」の残雪を踏んで三角そま小屋脇を通り、沢の一本橋と大石橋(吊橋)を渡って駐車場のテントに帰り着いた。まだ日は高かった。

《04/13》
 ゆっくり起きて大石橋脇駐車場を出発した。除雪末端から風景・自然を楽しみながら下る。沢末端にあるザゼンソウを撮ってゲート駐車場で荷を車に積んだ。五味沢(朝日平)の「りふれ」に向けて出発する。
 「りふれ」で入浴(7:30から入浴可能)したのは2人だけ、充分に湯を楽しみことができた。
 リフレを出発して米沢駅に到着、レンタカーを返却してグルメポイントを聞く。推薦の「まるぶん」はお休み、結局、「べこや」でべこや御膳(¥2780)を注文した。
 思い返せば、今年は薮を楽しむように、神様・仏様・御先祖様が配慮くださった山行であったと・・・

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