| 奥高野 護摩壇山・伯母子岳 【2008年10月10日(月)】 |
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【メンバー】 L:T/K、SL:T/I、他 H/T、M/I、K/I、H/N 計6名 【コース及びコースタイム(休憩・昼食を含む)】 (10月09日)新宿22:00〜池尻IC〜 (10月10日)藤井寺IC〜橋本〜高野山〜高野龍神スカイライン〜護摩壇山登山口 護摩壇山登山口7:53→護摩壇山(1372m300名山)→無名峰(1382m、通称丸山あるいは耳取山、和歌山県最高峰)→小高山往復→林道→9:18護摩壇山登山口【所要時間01:25】 車で移動〜 伯母子山登山口→口千丈山→伯母子山(1344m200名山)→桧峠→萱小屋跡→15:03大股橋詰〜洞川(民宿泊)【所要時間05:14】 【動機】岐阜県から西の山は足弱になって行くことに決めていたので和歌山や奈良の山々踏破はまだまだ先のことと思っていた。しかし名山踏破目標の人たちが九州、四国、中国、関西の山々を次々に登り終えてしまい、仲間のなかで自分だけが取り残されてしまったことに気がついた。K/Tさんが300名山踏破目標の人たちのために奥高野と熊野古道大峯奥駆核心部分縦走を計画したと聞いたのでこれ幸いと同行を申し出た。 【山行記録】 (10月10日)晴のち曇 新宿からチャーターした車は6人を一晩乗せて朝の護摩壇山登山口に到着した。好天で微風が吹き、少々寒いがまだ霜には早そうだ。公衆便所と売店、異様な護摩壇の展望台に挟まれて広葉樹低木林の中に石葺遊歩道が見える。H/Tさんは今回で護摩壇山3回目、K/TさんやM/Iさんは都合2回目になると言う。誰かが「ついでの山だから」と話している。空荷で緩斜面についた石葺き階段道をすこし登ると直ぐに護摩壇山(1372m)山頂に到着した。300名山の一つでこれまで和歌山県最高峰と言われてきた山であるがなるほどあっけない。狭い頂上には「ふるさと歩道、耳取山分岐」と書いた道標や東屋、護摩壇のオブジェ、和歌山朝日夕日の名所の碑などが立っていた。ガイドブックには「東に大峰山脈が見える」と書いてあったが東と南北は木々に囲まれ視界がない。西面を見下ろすと低い山が連なるのが見える。御坊の方向なのだろうが靄でそれ以遠の展望は無かった。 歩道を東に下ってNHK電波塔を目指す。歩道の周りには楓のように黄葉した三裂葉で丸い堅果をつけた木が多いがこれはシロモジらしい。リョウブも多い低木林だ。刈払った地面には穂を伸ばしたヒカゲノカズラが目についた。NHK電波塔のある無名峰(1382m)に着いた。インターネット情報によると通称、丸山とか耳取山とか言われているらしいが、2008年末には御坊市が公募した名前がつくと報道されている護摩壇山より10m高い和歌山県最高峰である。山頂標杭には護摩壇山と書かれ、手書きで耳取山とも記している。世の中には拘りのある人が多いと呆れてしまう。そのせいか背後の薮でガマズミが実も葉も赤く色づいて恥ずかしそうに秋の深まっていることを示していた。 南東の三角点峰まで足を伸ばすつもりで小高山との山名標が立つ1363m峰まで来て見たが景色もなにも見えない。蜘蛛の巣だらけの尾根道アップダウンに嫌気がさして、護摩壇山登山口に帰ることになった。楽をしようと、遊歩道を横断して尾根を平行に巻いている広い林道まで引き返す。尾根道とは違い林道の周りには高いブナの木が目立つ。護摩壇山登山口駐車場に帰ってきたが売店が営業を始めたらしく、騒音としか思えないような流行歌を響かせて趣がない。ここは観光地なのだと気が着いた。出発時とくらべて薄雲が増えたが大峰山脈まで遠望が利く。伯母子岳を探して見たがどの峰がそれかはっきりしなかった。 全員、疲れもなく、そのまま車に乗り込んだ。 車は高野山の方向に引き返して林道奥千丈線に入り、暫く走って伯母子遊歩道登山口に着いた。遊歩道というだけあってプロムナード気分で歩けそうに広い道だ。道標などに「標高1240m、伯母子岳まで5.6km、熊に注意」などと書いてある。枯れたブナの高木にはツキヨタケの幼茸が群がって生えていた。好天で黄葉を始めたブナの葉などが逆光に映え、微風で心地よい。軽い日帰りパックで歩く。広い遊歩道の周りはブナ・ナラ高木ー笹林で、鹿も多いのか糞を求めてルリセンチコガネが遊歩道を這っていた。1294m峰を過ぎると口千丈山(1330m)と書いた杭があった。「伯母子岳・護摩壇山遊歩道」という案内標にふさわしく道は1322峰を巻いているのでのんびりと歩ける。そのせいかNHKで放送中の篤姫、瞳が話題になる。尾根道に出て、牛首山(1341m)そして分岐を過ぎたところで秋だというのにフモトスミレ、マルバスミレが咲いているのを見つけた。伯母子岳から下ってきた犬を連れた男女に会い、ひとしきり交歓して分かれる。土の上に熊のような足跡を見つけて「さっきの犬じゃないよな」と話しあうが分からない。またして遊歩道は巻道になり、1341m峰の下を歩く。「伯母子岳まで1.7km」という道標も大股分岐もなんなく過ぎ、「山頂まで0.6km」と書いてある道標まで下ってきた。この辺りから明るい低木疎林―草地を歩く。伯母子岳山頂部分が目の前に聳えるようになってようやく本格的登りとなった。斜面は低木疎林で林床はミヤコザサが生えている。時折、近くで鹿鳴がした。登山道の傍らには紫のリンドウ、草地に白いセンブリが見え隠れしている。登りついた伯母子山(1344m200名山)には山名標、道案内標に三角点があるが国土地理院のものではない。かっては周囲が樹林に囲まれていたというが今では東西に延びる平坦な草地になっている。南面は標高が低い山並みが続き、北に大峰山脈、果無山脈、牛首ノ峰から護摩壇山の尾根、神納川を隔てて鉾尖岳、崖又山が谷を隔てて並び立つ。目を凝らして見るがNHKの電波塔は見えるがあの護摩壇の展望台は山陰に隠れて見えなかった。 昼食を食べて小辺路道分岐道標に従って下る。広葉樹林に囲まれた登山路にはヤマカイドウ(ノカイドウ?)の実が落ちていたので拾って噛んで見たが渋く、まだ酸っぱい。踏まれてない路傍には赤い実を着けたマムシグサやウメモドキが目を引いていた。下り着いた伯母子峠には新しい山小屋が立っていた。中を覗いてみたが整理整頓されて泊まってみたい気分になる。小屋からは広いハイキング道に変り、下りついたコルに水場があった。その先の大股分岐には「山小屋まで1.0km」と書いてあるが「そんなにあったかな」とちょっと首を傾げる。「大股まで4.9km」も本当だろうか。巻き道を進むと夏虫山分岐に出た。緩やかな尾根に入ると夏虫山に続く支尾根に出会うと地形図からは読めるが先のコル近くから入る方が短時間で済むと登山道を下る。登山道の南側はブナの生えた広葉樹林だが北側は桧の人工林に代わった。コルには夏虫山と記した道標があり、ザックを置いて夏虫山へ踏み跡に入った。少し登って尾根道と合流点から右折して藪を抜けると夏虫山(1348.5m)に着いた。三角点の周りだけが空いた薮の中でインターネット情報の読み違いだろうか、期待した展望が全くない。失望して早々に夏虫山道標に引き返して桧峠へ向かった。桧峠を過ぎるとアセビが高木の間に目立つようになる。間近の斜面から雄鹿の鳴声が響いてきた。植林の樹種が杉に代わると「萱小屋跡」に下り着いた。杉植林に囲まれた広場の片隅に休憩小屋があるが未完成のようでてんでに屋外にシートを広げて休む。「大股まで1.4km」と道標にあり、本日のゴールも間近になったとわかる。時折の鹿の鳴声だけが曇天を切り裂く。10分も下ると「杉谷山」道標に出くわした。どこもピークだと思えないが大切な里山なのだろう。杉林の中、路傍にコガネタケなどを見つけながら電光道を下った。杉林を抜けた先に墓地が見え、その傍らを下って鹿除けに囲まれた集落に入る。民家の表で山作業の支度をしている年配の女性に声を掛けると「これから萱小屋跡まで出かけて集落の人が利用できるように休憩舎の手入れをする」と声が返ってきた。「ご苦労様」と挨拶をして集落の中の道を下り、広い車道に出て日高川に架かる橋を渡ると車が止まっている大股橋詰であった。橋の袂には楓の木の下に大きな看板が立ち、世界遺産の熊野古道小辺路の由緒が解説してあった。日高川にはカジカの声(秋なのに?)もあるようであったが曇天が雨天に変わりそうなので追われるように車に乗り込み、次の大峯奥駆核心部に登るため洞川(ドロガワ)に向けて立ち去った。 【感想】 奥高野の護摩壇山と伯母子岳は高野龍神スカイラインの傍にあり、登山路も遊歩道として整備されてすこし物足りない気がした。いずれの山も頂上より駐車場などからの展望のほうが良いのには驚いた。しかし遊歩道はブナを中心とした広葉樹自然林や杉人工林の中を通り、色づき始めたシロモジ、リョウブ、ブナ、ミズナラなどを楽しめ、時々響く鹿の鳴き声からも深まってゆく秋を感じることができた。(記:T/I) |
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