屋久島について 
※ 山行インデックスのページに戻る
無事山行を終え、改めて屋久島について調べてみた。
1993年に日本で初めてユネスコ世界自然遺産に登録された屋久島は鹿児島県熊毛郡屋久島町に属し、大隅半島の佐多岬から南南西約60kmにある周囲約130km の丸くて日本で7 番目に大きな島で、隣の種子島や口永良部島などと大隅諸島と呼ばれている。
「屋久島は全域が山地であり、1,000〜1,900mの連山は八重岳、洋上アルプスなどと呼ばれている。それらの山地には九州最高の宮之浦岳をはじめに1500 メートルを超す山が20 座、1000 メートルを越す山が46 座もある。

宮之浦岳、永田岳と栗生岳(『三國名勝図會』の栗生嶽の位置は黒味岳とする説もあるためか最近では黒味岳が三岳に)は三岳と称されて頂上に一品宝珠大権現が祭られ古くから信仰の対象とされてきた。

本富岳、国割岳や愛子岳など海岸間近に聳える山々は前岳、屋久島中央部の高峰は奥岳と呼ばれており、永田岳以外の奥山は人里から望むことはできない」。
島外周部は第三紀堆積岩からなり、中央に直径約25kmの花崗岩が貫入して隆起して山地が形成されている。中央部の高峰には雨による侵食に耐えて残ったトーフ岩のような花崗岩塊が点在し、永田岳のローソク岩のような岩塔も林立する。島の北西-南東方向および、北東-南西方向に伸びている渓谷や尾根も花崗岩の摂理の方向に沿って侵食が進んだことを示している。屋久島は日本の地質百選に選定されている。
亜熱帯にある宮之浦岳山頂付近の年平均気温は6〜7℃、
月別平均気温は
 1月  2月 3月 4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月 12月
−0.3  0.3  2.8  6.4  9.1  12.1  15.3  15.5  13.7  10.1  6.0  1.5
である。最低気温は1月で-8度位である。このために雪が積もり、日本で積雪が観測される南限となっている。4月以降でも頂上付近には冠雪が見られるそうである。日本列島の気候を凝縮したような島とも言われるのも頷ける。
屋久島の周りの海には暖流の黒潮(日本海流)が流れ、豊富に供給される水蒸気は暖気と共に山地に衝突して大量の雨となる。

月別平均降水量は、 単位o   
       月  1   2  3   4  5  6   7  8  9  10  11 12
屋久島(空港) 221 309 491 448 480 622 274 250 397 296 299 220
屋久島(南部) 120 169 363 407 381 515 271 274 217 175 197 94

島の北半分では3、5、6月に雨量が多く、12、1、7、8月に雨量が少ない。
島の南半分では4、5、6月に雨量が多く、12、1、2月及び10月に雨量が少ない。

屋久島の年間降水量は平地で約4,000mm、山地では8,000〜10,000mmにも達する。
このような日本一を誇る雨量と急峻な山々のため深い渓谷が刻まれ、滝が発達している。また豊富な流水や湧水に恵まれ、1985年、宮之浦岳流水は名水百選に選ばれている。
屋久島は1月のうち、三十五日は雨が降ると言われている。
1日1o以上の雨の降る日数は、 単位日  
     月    1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 11 12
屋久島(空港) 17 16 19 14 15 16 12 14 14  11 13 14
屋久島(南部) 10 10 16 14 15 17 14 16 13  9 11  8
平地で2日に1日は雨、山では3日に2日は雨、屋久島はどこかで雨に遇うというのももっともだ。
山地に衝突して大量の雨を降らした暖気は下降気流になってフェーン現象が起こす。その結果、ハワイ島などのように屋久島では、島の半分は大雨、半分は快晴という地域的に大きな天気の違い起きる。暖気の流れ次第では麓は大雨でも、山頂では青空ということやまたその逆もありうる。
ちなみに林 芙美子の「浮雲」の最後は屋久島で、「はア、一ヶ月、ほとんど雨ですな。屋久島は月のうち、三十五日は雨という位でございますからね。・・・・」と書かれている。浮雲以前の「屋久町史」に同じ言葉が使われているそうだから古くから言い交わされていたに違いない。
植物も高度に順応して特徴のある分布をしている。
海岸付近の低地はアコウ、ガジュマルなど亜熱帯性の植物が茂り、
標高500mまではシイ、ウラジロガシなど暖帯林、
500m〜1,200mはウラジロガシ、スギおよびイスノキなどの混合林の移行帯でスギの人工林(地杉)もあり、
1,000m〜1,600mは屋久杉、ヤマグルマおよびモミなどの温帯林、島の中心部には、日本最南端の高層湿原である花之江河、小花之江河がある。
1,600m以上はヤクササに覆われ、ヤクシマシャクナゲなどの高山帯となる。
屋久島を代表する植物は屋久杉、ヤクシマシャクナゲ、サクラツツジ、リンゴツバキだそうだ。
屋久島では、樹齢1000年以上の杉を屋久杉と言い、1000年以下を小杉、人工林の杉を地杉と言って区別している。屋久杉は、標高600m〜1300mに自生し、1200m前後に巨大杉が多く見られる。杉の南限が屋久島であるからには本来、杉にとっては短寿命であるはず環境に違いない。それが〜7000年もの長寿の屋久杉になるのは自然の不思議である。屋久杉の根の下は栄養の少ない花崗岩で成長が遅く、年輪の幅も狭く、材が緻密になり硬く、普通の杉の約6倍ともいわれる防腐・抗菌・防虫効果がある樹脂がたまる。この樹脂によって屋久杉は長い年月を生き続けられるのだという。
ヤクシマシャクナゲは梅雨にあたる6月上旬に開花、初めは紅色や桃色の花をつけ、盛りを過ぎると白にかわる。標高約1000m〜宮之浦岳山頂まで分布し、その分布域は数千haにも及ぶ。開花時期に宮之浦岳登山歩道の周辺を山頂から眺めるとその咲く様はとても美しいという。
サクラツツジは5月〜6月に里から山の高い方へ登るように開花する。花が桜色に近いことから名がついているが色の濃いものから白いものまで個体差がある。満開時には林間全体にハイノキの花の白と競って咲き誇るという。
リンゴツバキはヤブツバキの変種で果実の赤い色と枝からぶら下がった様がリンゴのように見えることからこの名前がついたといわれる。
人2万、猿2万、鹿2万といわれる屋久島に

野生哺乳類としては、ヤクザルやヤクシカ、コウベモグラ、ジネズミ、ヒメネズミ、コイタチ、コウモリ数種しか生息していない。
永田浜は世界有数のアカウミガメの産卵地であり、ラムサール条約登録湿地となっている。
目次に戻る 111025〜29屋久島