石川県 白山前衛 銚子ヶ峰〜願教寺山〜野伏ケ岳と猿ケ馬場山
残雪期の白山連山を展望する
2014年03月31日〜04月03日、04月05日〜06日
【参加者】
03月31日〜04月03日 CL=(TK)、TI(合計02名)
04月05日〜06日    CL=(MN)、TI、他(合計17名)
【記録:コースタイム】
03月31日〜04月03日
【交通】
(往路)03/31 新宿西口ハルク前#35 小田急バス パピヨン号新岐阜行 23:10発⇒04/01 5:25関市役所下車、歩11分 長良川鉄道関市役所駅6:54⇒ 8:34北濃8:40⇒タクシー24Km⇒9:04石徹白上在所、白山中居神社(730m)

《04/01》白山中居神社(730m)09:24→11:27登山口(950m)→12:10石徹白大杉→15:17神鳩ノ宮避難小屋(1565m泊)
《04/02》小屋05:32→06:39銚子ヶ峰(1810m)6:48→7:11分岐(1784m)→平(1570m)→P1670→8:51願教寺山(1691m)8:59→      コル(1450m)〜10:32よも太郎(1581m)10:35→コル(1510m)→11:44日岸山(1669m)→コル(1500m)→12:59薙刀山(1647m)13:08→13:40平(1470m幕営)

《04/03》 平1470m(幕営)5:34→6:34野伏ヶ岳(1674m)→6:52北東尾根→7:36牧場跡→10:30白山中居神社(729m)

(復路) 04/03 白山中居神社(729)⇒タクシー⇒11:41北濃12:21⇒美濃太田14:29⇒岐阜15:08⇒名古屋15:56⇒池袋
04月05日〜06日
(往路)04/04 池袋21:46⇒04/05 06:10白川郷荻町八幡神社

《04/05》 白川郷荻町八幡神社06:17→帰雲山11:46→13:32猿ケ馬場山13:53→往路を戻る→17:20白川郷荻町八幡神社

(移動)白川郷荻町八幡神社⇒白鳥町(民宿泊)

《04/06》 白鳥町⇒05:50白山中居神社05:57→ダイレクト尾根→10:02野伏ヶ岳(1674m)→往路を戻る→13:01白山中居神社
(復路)04/06 白山中居神社⇒19:46池袋
【コメント】
 北陸は新座から遠い。北海道や九州・沖縄より遠いのではないか?とも思う。栂海新道の北端は親不知、その西はどうやって行くのか、電車やバスの乗り換えをインターネットで調べて楽しんでいるが実行するには決心そして後押しが必要になる。
 白山もその前衛の山々にも機会があれば登ってきた。白水湖から南竜小屋をへて別山に登り、石徹白大杉に縦走する山行に参加したことがある。三ノ峰で天気が急変し、雷鳴の中、上小池キャンプ場に下山せざるを得なかった。そんなせいで三ノ峰から石徹白までは未練が残る空白コースとなった。
 今年のTKさんの残雪期山行計画に石徹白から銚子ケ峰・願教寺山・野伏ケ岳周回縦走があった。登り損ねたコースではあるし、白銀の白山を見てみたいとの気持ちが募り、是非とも同行させていただくようお願いした。
 驚いたことにというか、当然というか新ハイにも、同時期にこの山域の猿ケ馬場山・野伏ケ岳の計画が掲載された。300名山狙いではある。熟達者との山行とピークハンター集団登山との違いを知るのも人生の糧と思い、急いで申し込んだ。
 この尾根を歩いた今、
 できれば300名山狙いといわれるのは口惜しいが登山時報(2013/06、No460、p37)記載のブナオ峠〜大笠山〜大門山〜桂湖まで歩いてみたい。かって下山口からのタクシーの手配ができなかったことでブナオ峠の入り口で引き返した苦い思い出のコースだ。それに加えて、白山も加賀新道、岩間道を南下してみたいものだ。静かなコースだろうな〜
第1日(04/01)
 前夜 新宿で落ち合って23:10の小田急バスパピヨン号新岐阜行に、首都圏に住むと思いの外、辺鄙なコースにもアクセスがある。関市役所BSで下車、3分咲きのソメイヨシノが並ぶ道を脇に見ながら長良川鉄道関市役所駅まで歩む。雲雀が囀る畑の中の無人駅で約1時間待って北濃行きのワンマン電車に乗り継ぐことができた。車窓から眺めると北濃まで、青空を背景に花々は春の盛りから冬の終わりまでカレンダーを逆行しているように見えた。
 長良川鉄道最終点の北濃から予約してあったタクシーに乗って石徹白まで登る。白山中居神社前の最奥集落が石徹白だ。1日2本のバスが通ってることをBSの時刻表を見て確認してみる。バスの到着時刻ではどうにも登山を始めるに遅すぎる。駐車場にザックを置き、まず沢を渡り残雪の階段を踏んで神社本殿で安全を祈願する。本殿正面もまだ雪よけのカーテンが下がっていた。
 駐車場に戻り、重いザックを担いでいよいよ雪解けを集めて流れる石徹白川に向かって下る。左岸の林道には大型ブルドーザーがでんと居座り、車の進入を拒んでいた。石徹白大杉登山口まで歩くしかない。石徹白川右岸の山の上には白銀の野伏ケ岳が頭をもたげていた。あの山まで周回して林道に帰ってくるのだ。
 初河谷出合でクランポンを履く。除雪はここまで、石徹白大杉登山口に車が入れるようになるにはまだ日数が必要のようだった。中居神社から6kmを2時間かけて大杉登山口についた。東屋・公衆便所などがあるが人気はない。林道右手斜面に白山登山道入り口との道標が立つ。前回はここまで縦走して来る予定だったのかと感慨にふける。
 休憩した後、いよいよ軟雪急斜面を登る。雨裂・小沢に走る長い夏道を残雪期に歩む苦労には例によって閉口する。TKさんはいつものようにスイスイ、スタスタと登ってしまう。踏み跡を利用させていただくのだが私は置いて行かれる。杉林に入り、左手コルに進むと国の特別天然記念物の石徹白大杉が看板・標柱を前に聳えたっていた。
 冬姿のままの広葉樹自然林中の残雪急斜面を青空に向かって登り続ける。石徹白川の谷を挟んで左手にも白銀の尾根が頭を出し始めた。野伏ケ岳に続く峰々が目に入ってくる。尾根筋に登りつくとにブナ高木疎林となる。薮はまだ残雪の下だが、最近降った新雪が掛け布団のように覆って柔らかく足を取る。地図読みも不要なほどの晴天無風で日差し、照り返しでとても暑い。TKさんと体重差10sは重大でTKさんの踏み跡に足を乗せても踏み抜くことが度々起きてしまう。踏み抜いた穴から足を抜き上げ、ザックを担ぎなおすが疲れもどっとます。
 尾根が次第に平坦になり、小ピークのアップダウンとなる。ピークには発達した雪庇が見え、新雪が吹き積もったことを教えてくれる。見通しのよくなった頂上からは左手に願教寺山とその尾根、そして正面には銚子ケ峰、その先に白山の主連峰が見えた。別山が主峰を隠しているのではないかとTKさんから聞いた。
 ほぼ予定の時間をかけて中居神社から神鳩ノ宮避難小屋に到着した。2階の狭い積雪期出入り口から大ザックを搬入するのに苦労したがどうにか明るいうちに全てを終え、ゆっくり寛ぐことができた。
第2日(04/02)
 夜明けの明星が輝く薄明に避難小屋から外に出た。頭上は星空だが雲が山に纏わりついている。今朝も好天、残雪も締り、クランポンの爪掛りも良い。小屋の脇から銚子ケ峰に向かって登る。白山主峰群はややモルゲンロート、ご来光が右手の山の端からのぞいた。
 一ノ峰から別山が見えているのだろうか。左手にはまだまだ願教寺山への尾根筋が続いている。平坦で広大な尾根を登るがシュルンド(クレバス)が所々に発生していた。母御石近くを過ぎる。見上げた銚子ケ峰の頂上部には白山の方から流れた雲が纏わり、遠望が利かないことを予想させた。
 銚子ケ峰はやはり薄い雪雲に覆われて展望が無かった。風もある。一休みして小ピークから分岐のある北西を見ながらわずかに進むと雪が飛んだ場所に三角点があった。なんだここが頂上か。銚子ケ峰を下って雪雲を抜け、白銀の石徹白道を進む。視界が開けているので願教寺山の尾根と石徹白道を左右に確認しつつ、分岐まで歩くことができた。例によってTKさんの足跡を追ったのではあるが・・・。
 分岐を左折して願教寺山尾根に乗り、白銀の残雪を踏み続けて進む。谷に向かって発達した雪庇が美しい。アップダウンを繰り返し、願教寺山直下に到着した。見上げた願教寺山は山頂部だけが雲の中だ。残念なことにまたまた願教寺山山頂は流れる霧の中、見上げると青空が滲んでいるが視界がない。
 山頂から西に延びる尾根の先は地形図通り、岩場に落ち込んでいた。南側のコルに下るには少々東側に引き返して急降下するしかなかった。コルから願教寺山を振り返ると山頂西側は切り立った岩の崖がいくつも麓まで落ち込み、すでに崖には残雪もなかった。東側のたおやかな姿と似ても似つかない、迷い込んだらとゾッとした。
 コルには既に笹薮が覗き、下るにつれて残雪が薄くなると予感させた。よも太郎山に登り、願教寺山を振り返ると雲は白山主峰の方から流れて山頂を隠し、下るにつれて消えているのがわかる。コルから緩斜面を登る。先行するTKさんの外に登山者の少々古い足跡が残雪の上に残っている。日岸山、薙刀山をアップダウンして300名山の野伏ケ岳に近づくと足跡の外にスキーのスプールと大型犬の足跡までもが続きだした。
 ブナ大木林の中に平坦地(地形図で目星をつけ、TKさんが調査で候補地を)にテント設営場所を定めた。野伏ケ岳近くのコルである。風を避けてテントを設営して早めに寝についた。
第3日(04/03)
 今朝は雲が低い。テントを撤収してブナ大木林の中を尾根に従って下る。野伏ケ岳に近づくにしたがって雪の上に足跡が増えた。野伏ケ岳の高さに合わせたように雲が流れて山々の高みを隠している。初日に白く輝いていた姿とは全く違う。
 登りついた頂上は平坦な上にホワイトアウト、一回りして目を凝らして雲の向こうを見るが全く判別できない。かろうじて風下の南側がぼんやりと透かして見えた。南面はドンと落ちてはるか下に旧開拓地と思われるような高原がある。スキー、スノーシユウ、ワカンの交錯した跡を頼りに東に下った。TKさんの好意で第5日に上下するであろうダイレクト尾根を下らず北東尾根を下山コースに選んだ。そこで分岐ではダイレクト尾根を覗いてみた。既に最上部では、笹薮の上の残雪が切れてちょっとしたシュルンドできていた。暖かい日が続いたら口を広げて面倒なことになる。
 北東尾根にも数少ないが踏み跡があり、わずかながら赤テープも下がっている。尾根の下の牧場跡(?)を目指してどんどん下った。尾根の裾にある疎林の中で林道に出会う。林道にぶら下がる赤テープ手書き道標に従い、スキーのシュプールに導かれて広い窪地へ下る。近道なのだろう。が、突然、シュプールがかき消えてしまった。小沢を越えたときに分かれたに違いない。と引き返してみたが見当たらない。風景と地形図を照合して現在地を確認しあう。降りてきた尾根、目前の尾根、平坦な高原を囲む低い丘、沢の流れ口、水音など・・・。結局、低い尾根を登るつもりで窪地を横切ると、そこにダイレクト尾根尾根からの林道があった。近道をしたが結果的には余分な時間がかかったことになった。よくあることだが。
 開拓記念碑から林道と別れ、ショートカットに向かった。こちらの入り口には長い赤テープがぶら下がり、入った杉人工林とそれに隣接する広葉樹林には要所にしっかりとテープがある。踏み跡が林道と交差するあたりでテープが消える。近くをみれば左右のどこかに目印があった。歩く人が多いと混乱がある。林道の残雪が斑になり、砂利道が続くあたりでクランポンを外した。石徹白川の沢音、支流の堰堤から落下する水の音が大きくなってきた。堰堤下の橋を渡り、さらに本流にかかる橋を通る。橋の上から振り返って長かった林道と、薄曇りの空を背にした野伏ケ岳を改めて見てみた。さらに左岸林道に目を移すと林道封鎖のブルドーザーは今朝もドカっと腰を据えて動いていないようだった。
 白山中居神社の駐車場に帰り着いてタクシーを待つ間に身なりを整える。タクシーから見る石徹白から北濃の間も、北濃から美濃太田の間の長良川鉄道から眺める沿線もこの3日で春が一挙に進んでいた。なにか置いてきぼりを食っているような気がするのはそのせいなのだろうか。
 今日は新座に帰って、また、明日の夜に池袋からバスに乗って白川郷から猿ケ馬場山と、石徹白から野伏ケ岳をピストンする予定だ
第4日(04/05)
 前夜降り始めた小雨はバスが白川郷につく頃に小雪に代わった。白川郷を囲む山々にはまだ雪雲がかかり、木々には雪が積もり、街路樹は樹氷に見まがうような姿に変身していた。白川郷荻町八幡神社(登山口)は風花の中にあった。
 神社脇の林道を一列になって進む。いつものように列の最後を歩む。杉人工林を抜け、沢に沿って登って大きな堰堤に着いた。右岸の山道を登る。山道はすぐに消え、先頭は沢筋の薮が薄い個所を選んで登っている。沢の傾斜が急になり、新雪も厚く、薮も濃くなったのでクランポンを装着して左岸斜面へよじ登る。斜面を詰めてどうにか広い平坦尾根に出た。ここには予想した林道がない。地形図と風景を照らし合わせても現在位置を確定できない。候補が複数ある時にはGPSの出番だ。声をかけるとスマホに5万分の1地形図を入れているメンバーが現在位置が三角点1062.1の南であることを教えてくれた。方位を確認して先頭のリーダーに進行すべき方向を提案することができた。あまり歩かれていないルートらしいが1枚の赤テープを見つけ、その後、右手の谷に電柱、その先の谷向こうに林道の一端を見つけることができた。どうも堰堤上の分岐で右谷に登らず、左谷に迷い込んだようだ。
 林道を進み、右手の急斜面を尾根に向かって登る。尾根に出たところで小休止、ようやくブナ林を通して青空が見えだした。通常コースから猿ケ馬場山に登ったことがあるサブリーダーを前に三角点1472.3を巻いて斜面をすすむ。新雪が膝までの深さになり、男性が交代で先頭に立つ。ブナ林がカラマツ林に代わり、アンテナが立つ帰雲山山頂の広場についた。新雪がいっそう深い。コルに下って昼食休憩に、左手眼下には白川郷、その向こうには三ケ辻山(?)が見える。風が冷たいがそのせいか雲が切れて青空が広がってきた。右手には白山スーパー林道がジグザグに山肌を縫っているのが見えた。まだ山の上部は雪雲の中ではあるが。
 猿ケ馬場山の平坦な山頂部に登りついた。青空が広がり、日差しが肌に刺さり、照り返しが目を痛める。山頂部は新雪・残雪に覆われて、どこが三角点か、近くにあるのだろうがわからない。最高点を探して地形図を頼りに南へ針葉樹の疎林の間を雪をかき分ける。次第に従ってくる人数が減ってしまってとうとう二人になった。
 尾根末端にそれらしい猿ケ馬場山の頂上を見つけることができた(下山後GPSLで確認して安堵)。白山連峰、三方崩山の展望を孤独に楽しんでいるうちにトレースを踏んでどんどん人数が増えてきた。集団登山ではこんなものか。
 しっかりした踏み跡になったトレースを辿り、往路を帰る。コルへ下る途中で野歩路Gとすれ違った。リーダーはシャベリング(ラッセル)のお礼を受けている様子だった。帰りは早い。往路では後ろに屯していた女性達が先頭になって走り下っていくのにもただただ感心するだけであった。
 林道に下って一般道の沢に、こちらの沢は広い。沢から再び林道へ、今度は忠実に林道を下った(上部の堰堤から狭い沢を下るのが一般ルートとも後で聞いたが)。途中でクランポンを脱いで、少々長い林道を下って八幡神社の背後の林に降りつくことができた。
第5日(04/06)
 白鳥の民宿から石徹白の白山中居神社に着いた。昨日朝まで降った春雪のせいで道が白い。薄曇りで野伏ケ岳は雲の中で姿がない。
 林道は入口の水道施設のあたりから雪が積もって様変わりだ。林道を忠実にたどり、目印を見つけては近道に入り、開拓地跡に到着した。林道を忠実にダイレクト尾根下に向かう。新雪にもかかわらず足跡がついていて迷うことはない。一般コースの強みだ。
 ダイレクト尾根登り口下でクランポンを履く。軟雪であるが先行者が踏み固めた跡をジグザグに登ってダイレクト尾根に乗った。予想していたよりも傾斜緩やかだ。なるほど北東尾根よりも登りやすい。開花したマンサクの脇を単独行の男性が追い抜いてゆく。登るにつれて小雪がちらつきだした。
 先日、心配した尾根合流点のシュルンド(クレバス)も新雪で埋まって、雪崩が起きそうという状態を隠していた。頂上へ小雪の中を登る。踏み跡が尾根右側についているのか、頂上尾根を巻いてゆく。
 野伏ケ岳の頂上に到着した。数人の山スキーヤー、ボーダーが粉雪の中に佇み、追い抜いていた男性も休んでいた。ホワイトアウトで前回にもまして展望がない。休む間もなく、雪が降っていない分岐へ引き返した。
 ボーダー三人が分岐から谷へ滑降しているのを見て、雪が一層柔らかくなったダイレクト尾根をドンドン下った。林道の近道で少々下りすぎたこともあったが登り返し、林道脇のフキノトウを摘む女性を手伝いながら中居神社に帰着した。雪は小雨に代わり、左岸林道にドッカと座ったブルドーザーを濡らしていた。バスは神社駐車場から川沿いの駐車場に移っていたので最後の一登りをしなくても済んだ。
 300名山ピストン集団登山には一般コースを昇り降りするのが皆さんのためになると痛切に感じた山行であった。
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