| 福島県 奥只見 村杉岳 |
| 個人山行 村杉半島のブナ林に出会う |
| 2014年04月14日(月)〜04月16日(水) |
| 【参加者】CL=(TK)、TI (合計2名) |
| 【交通】 (往路)04/14 志木→朝霞台/北朝霞→武蔵浦和→大宮(特急とき#303号)7:25→8:11越後湯沢8:35(駅レンタカー)⇒関越道小出IC⇒国道352⇒>湯の谷温泉郷方面⇒折立交差点⇒奥只見シルバーライン⇒トンネル⇒10:11奥只見丸山スキー場(駐車) (復路) 04/16 奥只見丸山スキー場道路分岐⇒車⇒12:21交流センターユピオ(入浴)松坂屋(食事)⇒越後湯沢15:09⇒16:14大宮⇒志木 【コースタイム】 《04/14》奥只見丸山スキー場(駐車)10:53→電源開発道路へ→12:33電源開発道路→上大鳥橋(570m)13:51→14:16白滝沢右岸尾根取付点(580m)→標高点(1050m)→16:33幕営地 《04/15》幕営地05:59→7:04P1395m→7:46三羽折の高手→8:23倉前沢山8:37→9:29P1395m→10:48村杉岳11:01→1209m標高点→12:45巨大ブナ林(幕営) 《04/16》 幕営地05:50→7:28村杉沢出合(574)→8:42上大鳥橋→11:04丸山スキー場道路分岐 |
| 【コメント】 村杉岳は福島県の奥只見にある村杉半島の峰の一つである。山奥に半島とは奇妙であるが田子倉ダムが只見川とその支流の白戸川を堰き止め、田子倉湖に浮き出た地形になっている。 昔、山と渓谷誌に田子倉湖をモーターボートで渡って秋山をガイドする民宿の記事があった。しかし気の赴くままこの山域を歩くことができるはずはないと端から山行候補にいれるような気持ちは持てなかった。 ところが今年の残雪期登山計画にTKさんが村杉岳を入れたので大いに驚いた。コースを見ると南の奥只見湖から北上する。そんなことができるのかとインターネットで調べて見るといくつかHPがある。自分のいい加減さを恥じた次第だ。 |
| 第1日(04/14) |
| 大宮の特急とき車内でTKさんと合流、越後湯沢で下車して駅レンタカーを調達して越後湯沢ICから小出ICに向かった。小出ICからナビに誘導されて長いトンネルを抜け、奥只見丸山スキー場の駐車場(平日無料)についた。トンネル出口から駐車場に至る道路のどこかにあるはずの電源開発道路分岐が見つからない。駐車場の端から只見川を見下ろしても、浄化センター、ダム近くまで下っても、電源開発道路そのものも見あたらない。スキー場事務室に行って電源開発道路入り口を聞いたが道路は崩壊、雪崩もと話すばかりで入り口がどこかは教えてくださらない。あきらめて地形図を参考、相談の上にスキー場末端から尾根を下ることになった。 |
| 軟雪、急斜面の尾根、沢をTKさんを先頭に下った。予想したように尾根末端は崖になって林道に繋がっていた。滑落をしないように雪が落ちた藪を伝ってどうにか林道に下ることができた。見上げると酷い崖尾根を下ったものだと改めて知らされた。電源開発道路は積雪・デブリで埋まり、この先どうなるかと不安が募ったが見ると新しいスキー滑跡が上大鳥橋方向に残っている。重いザックを背負っているがどうにか(安全に)歩けるのではないかと思った。空は快晴、風もなく天候に心配はない |
| 目の前にデブリが落ちてきたり、新しいデブリを抜けたりしながら前を歩くTKさんに感謝しつつ軟雪に足を取られながら道路を進む。 |
| 谷間にブルーの上大鳥橋が見えた。その上には白く輝く山が見える。毛猛か守門であろうか |
| 上大鳥橋を渡る。これで新潟県魚沼市から福島県桧枝岐村に入ったことになる。発電関係設備あるいは保守のためだろうか建屋がある。豪雪に耐えるためか思いのほか高い。建屋先は広場(夏なら河原か)になっており、発電所遺構も山裾にあった。沢筋の山側末端に近づいた時、突然から小型の鴨が2羽飛び出した。白い目の周り、羽の色から鴛鴦の番と見た。 |
| 白滝沢出合に到着、電源開発道路の先の悪場(復路で通る)、白滝沢の上流、右岸をよくよく見た。どこから取り付くか |
| 悪場手前の小沢右岸脇の藪・草付崖に取り付いて急登した。いつものようにYKさんの登り速度に追いつけない。ようやく平坦な尾根に出て、待っていたYKさんと休憩できた。息が切れ、汗が額から流れる。 |
| 尾根にはアップダウンがあるが比較的緩いので白銀の残雪とブナ大木疎林を愛でながら歩む。とはいえ午後の軟雪には閉口した。ブナの木立越しに只見川対岸に前衛の山の上に白く輝く峰が見えてきた。尾根が広くなりテント場にむいた平坦地を探す。イカルの囀りが聞こえる。登り口ではミソサザイが囀っていたが小鳥の多い山だ。 |
| ブナ大木林の平坦地にテント場を定めて雪を固め、テントを設営した。テント場から出発した奥只見ダムを見下ろすことができる。只見川の先には、当然のことだろうが只見川源流に当たる尾瀬の燧岳が双耳を際立たせて聳えていた。周囲はブナ大木が並び、TKさんの言うブナ林に出会うという登山の目的をかなえることができた。もしかしたらこのブナ林は白神山地のそれを凌ぐのではないだろうか。 |
| 第2日(04/15) |
| 夜明け前に起きてテント外に出ると満月が雪面を輝かしていた。気温は1℃で温かいが風がある。テントを撤収してクランポンを装着した。昨日と違って雪に爪がよく利く。雪の上にはブナの殻が多数散乱していた。 |
| 主尾根に至る急斜面を登る。目の上には藪筋が出ている。TKさんの踏み跡を利用させていただいているがトラバースには不安がある。右左によれながらどうにか主尾根にたどり着いた。みればスキーの跡がある。どこか、登りやすい取り付き、ルートがあったのか、そんな思いをしながら汗をぬぐった。 |
| 尾根に登ると前毛猛から日向倉に至る稜線が西奥に見え、東に目を向けると稜線に日の出が輝く。次第に尾根は広く、雪堤に沿って崩れかけた雪庇が続いているのが見えた。緩やかな登りが続く広い尾根を歩む。これがこの山行のキモである。 |
| 標高1395mのピークに到着した。尾根が合流している。風裏の平場に大ザックをデポしてアタックザックに本日の装備を詰めなおす。南を見ると今日の目的地の三羽折の高手、倉前沢山に至る平坦で広い尾根が白く輝き、その先には尾瀬燧ケ岳や平ケ岳が見える。平ケ岳の右手は越後三山だろうか。その手前には村杉沢出合に向かう下山尾根が流れ、さらに右手には毛猛の尾根が見えた。 |
| 荷物をデポした1395mピークから南へは快適な雪上散歩が続く。三羽折の高手から振り返るとブナが雪の上に立ち、青空が澄み切って目から心に沁みこむ。熊棚をいくつもつけた一本のブナを見つけた。周りを見ても他に熊棚はない。雪の上にブナ林から吹き寄せられたブナの実の殻が散らばっている。熊は何でこの木だけを選んだのか答えのない質問を自分にしてみた。 尾根の端の倉前沢山についた。山名標などなにもない。TKさんのGPSで山頂確認をする。少々木々の邪魔はあるが素晴らしい展望だ。登り損ねた会津丸山岳や朝日岳も見えるとTKさんと山座同定を楽しむ。北を振り返れば3番目奥の峰が村杉岳のように思われた。まだまだ先だ。休憩して再びデポ地点まで引き返した。 |
| 好天のせいか、もう雪が腐ってきた。スキーの跡が再び現れ、野生動物の足跡が入り乱れている。今朝凍った足跡が雪から風に飛ばされて谷へ落ちてゆく。雪原が続き、尾根の端には雪堤が続く。緩やかな斜面の丸い尾根を登って村杉岳頂上に到着した。北からの風が強いせいか頂上には藪が出ている。頂上からは360°の展望がある。これまで疎遠の山域のせいか峰々の名が分からない。手前の尾根から北東にあるのは大川猿倉山、村杉半島の盟主だが、その先は守門〜浅草、その左手からは毛猛なんだろう。越後三山も見えるように思える。峰越の風が冷たく青空には巻雲が流れるようになった。 |
| 村杉岳から西に向かう。狭い尾根に代わったがなだらか雪の稜線が続く。標高点1508に到着した。GPS表示の標高はもっと高い。地形図には時々こんなことがある。ここからは尾根を南に下る。今朝登った尾根とは谷を挟むことになる。右手にはブナの高木林が続くが谷側には残雪にブナの疎林が映えて美しい。尾根を下りながらテント場を探す。1209m標高点近くの平坦な場所にテントを設営することに決め、雪をならした。 |
| 第3日(04/16) |
| 予報通り、前夜に雪と強風が通り過ぎ、2時には月夜となったが風が木々をならして眠りを浅くした。テントを撤収するころには薄曇りながら風はほとんど止み、朝日に染まる穏やかな雪山に戻っていた。クランポンを履いて快調に尾根を下る。次第に藪が出てきた。 雪斜面を選んで下り、尾根がいくつにも分かれて左右に広い谷が出るあたりでTKさんのGPSのお世話になった。目の下にはダム湖(大鳥ダムの?)が美しい水面を見せているのに村杉谷出合への下り口が見つからない。電源開発道路へどこから下るか、地形図を見ると村杉沢下流には崖や急斜面があるし、村杉沢の上流も似たようなものだ。 針葉樹の立つ尾根の端から村杉沢に下るコースをTKさんが選び、その後に続いた。先に下ったTKさんが雪橋を渡って電源開発道路で休んでいるのを横目に見ながら、ベルグシュルンドに半分はまり、雪壁をクライムダウンしてどうにか安全な場所に下ることができた。地形図にある橋は見つからなかったが自然の雪橋が沢にかかっていて渡渉しなくてよかったのは幸いであった。 |
| 一休みした後、電源開発道路を白滝沢出合に向かって下る。急斜面を切り開いてつけられた道路のためか雪が急角度で残り、ところどころにデブリが横切る悪場が続く。ダム湖はあくまで鏡のようになめらかで落ちてきた残雪を浮かべ、対岸の山々を映していた。それに引き換え、歩む道路は難所続きであった。 |
| 白滝沢出合から上大鳥橋までは歩きよい。上大鳥橋で休んで、(我々の?)踏み跡やスキーの跡を辿って初日降下地点まで帰った。降下地点から再び悪場が500m位続くがどうにか抜けることができた。右手を見上げると、スキー場の建物、駐車場の端などが雪斜面の上にある。初日に駐車場からそのまま下ればあんな苦労をしなくて済んだと反省をした。TKさんの提案で電源開発道路を忠実に帰ることにする。強い日差しの下、柔らかい雪に足を取られながら大きな高圧送電線鉄塔近くに来た。右手に回るとスキー場への舗装道路が目の下に出てきた。雪が数mも残って分岐を隠しているのでここがわからなかったのだ |
| 乾いた舗装道路の路肩でスパッツやクランポンを脱ぎ、荷物を整理してTKさんの運転する車に積み込んだ。 |
| 長いトンネルを抜けて交流センターユピオでゆっくりと湯につかり、疲れを癒し、教えてもらった松坂屋でカツ丼を頂いて村杉岳山行を〆ることができた。 |
| 念願の村杉半島を始めて歩くことができてそれは満足であった。が、初めて大川猿倉山を見、登り損ねた会津丸山岳、朝日岳、毛猛などを展望すると再び奥只見に来なくてはと思ってしまう。 |
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