| 【コメント】 |
知床には 半島先端から 知床岳〜硫黄山〜羅臼岳〜遠音別岳〜海別岳と 尾根が伸びる。これらは知床半島世界遺産登録区域に入っている。また世界遺産には入っていないが地形図を見つめると斜里岳、武佐岳、標津岳は半島にはなく知床山塊の基部にあるのが分かる。びっくり!
遠音別岳は地形図を見ていただくと分かるように裾野は平坦で顕著な尾根筋が見当たらない。出発前には地図読みだけでは遠音別岳には到達できないのではないかと不安があった。歩いて見てその通りだったのでGPSをぜひ!
ラサウヌプリは遠音別岳から縦走できるとのQさん情報もあったがインターネット情報ではピストンでさえ撤退と紹介してあった。知床には登るには難しい山が幾つもあるらしい。 |
| Qさんの計画にタダ乗り、とは言え ISさんと歩いた羅臼・斜里を思い出しながら歩くことができるのも動機であった(4月当時はISさんは体重が減っていたが元気だった。登り残した屋久島や北海道の山々にISさんと再び同行できると信じていたが・・・) |
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| 4/21 |
| 前日の偵察で確認した入り口のゲートを開けて(もちろん入ったら閉めて、狐、エゾシカや熊のためにも観光客が開閉の大切さを理解したら)林道に入り、オペケプ川林道(駐車スペース)に駐車した。大ザックを担ぎだして予定通り出発する。標高を稼げば遠音別岳に届くはずとの期待をもって登る(現実はこんな気楽なものでは無かったが) |
| 腐った残雪を踏んで針葉樹・広葉樹混淆林尾根に取り付いてQさんのGPSと地形図を活用し、伐採用林道(地形図には当然のところ表示なし)を横断して斜面を登る。幸運にもこの広葉樹高木の疎林斜面で黄金に輝く福寿草の群落を発した。曇でも福寿草は光を求めて(昆虫を誘って)開花していた。人生(男も女も)もこれと似ているな。福寿草群落地(182m点)を出発して樹林を抜け、送電線鉄塔列下に到着した。送電線下は伐採されて防火帯、滑り易い笹・草付に雪も残っていた。ここで現在位置の確認ができたが向かいの林に入るポイントが分からない |
結局、刈り払いが終わった防火帯に出てP252鉄塔(頂上は幾分平坦)に登りついた。頂上部の林は下薮が濃いので少し南へ下って見る。低木薮の隙間に複数のテープを発見してそこから林に入った。針葉樹林帯に残雪が続く。目の前をエゾリスが跳ねて逃げた。現在地確認はQさんのGPS頼りだ。地図読みの無力さが身にしみた。
等高線260m地点で休憩した。特徴がない平坦な樹林帯の中で地図読みはほんとうに頼りにならない。残雪の上、トドマツの幹に林班境界赤札を始めて見つけた。復路の目印にはなる。針葉樹林帯を残雪を踏んで進む。右手樹間に海面と雲が見えたが進行方角や現在位置の確認にはならないようだ。
341m点尾根分岐に入ったとうすうす感じたが尾根筋を素直にたどって南(右)尾根に迷い込んだ。尾根の端に出てこれは違うと引き返して341m点小ピークから南東の方角をコンパスで確認し、派生している尾根に移った。ここがルートファインディングの重要ポイントだ(帰りに青PEテープ発見)。早々と南尾根から南東尾根に巻いたQさんの所在を告げる大声が聞こえた。
319m点を過ぎて雪の上で休憩した。周りは混合樹林帯である。暫く歩くと木々は低くなり小木疎林になる。ルートを見つけるのが難しい広くて平坦なピークになる。どこでも歩けるということはどこでも迷うということだ。平坦尾根の歩きやすい左に進みたいが中央を歩く(GPSに従って)。周りのトドマツもしだいに低くなってきた。明るいダケカンバ疎林に入って平坦な天場適地を探しながら歩む。 |
| 残雪の上にテントを早めに設営する。大ザックをテントに収納してアタックザックに必需品(水・行動食・雨具・灯具など)を入れて偵察にでた。 |
まず急斜面をピッケル、立ち木、露出している根を利用してよじ登る。斜面には大きな岩が幾つも露出して目印になる。斜面の上は再び平坦な疎林になっている。Qさんが急斜面の下り口に赤テープを結んでくれた。テント設営候補地の1つであるが大ザックを背負ってここまで急斜面を登るのは辛い。
平坦な針葉樹林帯尾根を進む。キタキツネが目の先を横切って走り去った。その足跡を踏み越えてゆく。次第に広葉樹林が針葉樹林に代わり、針葉樹も低木になり、その上に青空が出ってきた。針葉樹がなくなり森林限界を越したようで目の前がひらけ雲が山々に流れているのが見えた。
遠音別岳には北西のオホーツク海から雲が吹きあがり、山全体を雲が覆い、そしてその雲が南東の根室海峡に流れ下っている。森林限界の先はハイマツ帯が広がり、踏みこむと柔らかな残雪が膝上まで抜けてクランポンを履いた足を引き上げるのに骨を折った。身が軽いQさんさえも何度か足を突っ込んで抜き上げているのが目にも入る。体重が重いTIには軟雪も、時々吹き抜ける強風も冷たい。
ようやくハイマツ帯を抜けて本日最高点(等高線845m)に着いた。吹き抜ける雪雲が時々薄くなって遠音別岳の山肌が見えたりする。強風がオホーツク海から雪雲を運び、遠音別岳は上半分を雲に隠して登るのを拒絶しているようであった |
| ここまでのルートに足跡をつけたので偵察の目的達成と引き返すことになった。ハイマツ帯を抜けて振り返ればハイマツ薮の向こうに雲を被った遠音別岳が今ははっきりと見える。根室海峡側をみれば右手には尖った岩峰が、オホーツク海側には斜里沖か海が黄金色に光る。休憩(等高線690m)した後は踏み跡を辿って思いのほか早くテント場に帰り着くことができた。気温は2〜3℃、見上げれば雲が切れて青空が広がっていた。 |
| 夕食をとった後、テントの外に出てみる。木々の間を透かして見える海上には赤い夕陽の夕焼け、出発前の予報通りなら明日は好天が続くだろう。風がおさまってほしいものだ |
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| 4/22 |
| 幕営地を出て平坦地を抜け急斜面に取り付く。目印の岩を見ながら急登した。昨日の偵察の足跡が役に立つ。平坦な台地に飛び出てそのまま歩くと目の前の針葉樹低木の間に日の出の光線が輝いた。朝日が雪を赤く染める。森林限界を出てみると昨日踏んだ足跡が遠音別岳に延びていた。北の強風はどこに行ったのか、今朝は風が弱い。優美な(女性的な)遠音別岳が目の前にある。南西方向の山々を朝日が染めている。海別岳からラサウヌプリ(奥遠音別岳)が見えている(に違いない) |
| 遠音別岳からも朝日が出た。ハイマツ薮を進む。踏み跡通りに進んでも時々ズボッと落ち込む。このハイマツ帯通過が遠音別岳登頂可否の核心だ。すこし時間はかかったが無事に偵察最高点に到着することができた |
| ハイマツ帯をよけて遠音別岳の急斜面を登る。いつものことだが75歳のQさんに追いつけない。見上げると南側から吹く強い風にQさんさえも難渋している。TIも斜面の北側に風を避けつつ登る。残雪が融けて再氷結、強風に削られた凹凸に風上から雪がエビの尻尾を伸ばしている。こんな雪氷表面はいままで見たことがない。なんと呼ぶのかとQさんに聞かれたが答えようがない。光る斜面にもクランポンが利いてよかった。どうにか命が保てる。頂上を目指して急斜面を登った。サイドに見えるのは羅臼岳だ |
| Qさんを追いかけてどうにか遠音別岳山頂(一等三角点1331m)に着いた。Qさんの言う通り東側は切れ落ちた断崖、ここからラサウヌプリへの縦走路が始まるようだ。高齢者の我々にはヒマラヤ登頂と同じようなリスクがある。できないとは言えないが、遠音別岳山頂から奥遠音別岳(ラサウヌプリ)までの尾根が雪で白く化粧して延々と続くのを見ると縦走するには相当の努力が必要そうだ。見回せば海別岳〜根室海峡〜東方向〜登ってきた斜面の先にはオホーツク海が広がる。知床半島の山だと再認識できた |
| 展望を満喫したいが強風に追われて早々に下山することにした。等高線1000mの尾根北側で風を避けて長めの休憩をとる。下り始めて山頂をふり返り、麓を見下ろすと麓に単独行登山者が歩んでいるのが見えた。物好きな! 尾根を降りて昨日最高点近くで新ハイのIさんに遭遇にした。Iさんは「昨年、ハイマツ薮で敗退したので再挑戦している」とのこと、遠音別岳の登山適期は極めて限られ短いことが理解できた。計画立案・お膳立て頂いたQさんに感謝。 |
| 踏み跡を辿って幕営地に帰着した。1頭のアカタテハ(北海道には地域亜種があるのでは?)が舞う中でテントを撤収をした。テントがなくなったダケカンバの林を見て気づいた。ダケカンバの皮が剥がれた高さが残雪のカバーが外れた位置だ。なるほどそこから知床の強風が木をゆすって肌を剥がすのだ |
| 重いザックを背負って幕営地を出発した。3人の踏み跡を辿れば迷いやすそうな広くて平坦なピーク(等高線400m)も問題ない。319m標高点コルを過ぎ、最大ポイントの341点尾根分岐に易々と着いた。見れば、なんだ青テープが小ピークの木に目印として結び付けられてぶら下がり、ここに注意と示しているではないか。振り返れば樹間の向こうに遠音別岳さえ見える。天気がよく、見通しさえ良ければ目印青テープと派生南東尾根も楽に見つけられる。下って爪痕も鋭い熊の足跡が残雪に残っているのを見た。今朝の足跡に違いない。周りの雪が融けてないのを見ればさっき歩いたのか? 熊鈴・笛は不可欠だ(TIのようにザック奥深くに収納していたらなんの役にも立たない) |
| 薮を登って送電線鉄塔丘に飛び出した。往路で濃いと心配した薮も楽にすり抜けることができた。人工物を見るとホッと安心する。とはいえ知床では街中でも熊が出るという。用心に越したことはない。一休み、なんだ天気が良ければここからでも遠音別岳が見えるのだ。福寿草群落地に下って斜面を被写体探しに倒木を跨いだりした。福寿草のそばにはエゾエンゴサクなのだろうか、青い小さな花もあった。撮影を終えて伐採林道を跨いで取り付きに出た。登り口の残雪は融けてとても小さくなっていた。伐採広場の片隅にIさんのアライトレッキングテントを見て駐車スペースに帰った |
| 健脚のIさんの帰着を待って林道駐車スペースを出発した。林道出口内にもう1台、役所関係の車が駐車していた。どんな作業かな? Iさんを宇登呂の民宿に送り届けて、清里から斜里岳を見上げ、根北峠を越えて標津に回った。歩いている婦人にホテル川畑の場所を聞いたら、なんと目の前、標津はカーナビでも分かりにくかった。運転しているのはQさんだけど・・・・ |
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| 4/23 |
| 朝起きてホテルの玄関前に出てみるとコーンコ−ンと鳴く白鳥の群れが頭上を通り過ぎた。尾岱沼からシベリアに帰っていっているのだろう |
| 川畑ホテルを出発して標津から根室海峡側のR335を北上(正確には北東上)する。海岸沿いをしばらく走ると青い湾の先に雪を被った知床連山が見えた。本当に美しい。植別橋北で停車して浜から眺めてみた。礫浜の先は青い海、その先は知床連山、撮影してみたが目で見たようには写ってくれなかった。陸嶺橋北で左折して町道(入り口)まで車で入った。町道(林道?)入り口の左手に羅臼町廃網処理施設がある。 |
| 畑脇空き地に駐車して準備していると、娘さんの牧場を手伝いに横浜から来ている男性が車を止めた。埼玉と神奈川から来ていると聞いて牧場生活や登山やら話が弾み過ぎ、出発予定時間を大幅に過ぎてしまった。大ザックを担いで雪で埋まった町道に入る。ブロックしていた重機の先にはスノーモビルが2台置いてあった。海別岳までスノーモビルで登るツアーがあるとインターネットにあったがこれなのだろう。下って橋を渡る。その先は地平線まで続くと思われるほどの(現実にはその先に小山の連なりが見えているが)平らな雪原(畑か牧場)が続いている。道脇の植え込みや薄(?)を目印にスノーモビルのトレッドを踏んでゆく。意外にもトレッドは柔らかく足が残雪にめり込む。汗をかきつつ町道の末端(林道入り口)に直進した。スノーモビルのトレッドの多くは左の谷、海別岳の方へ別れていた。 |
| 林道を外れたらしいが沢音を頼りに橋のたもとに着いた。1休みして右岸から左岸に橋を渡る。短い橋の上に積もった雪にはすでにクラックも発生し、橋下を轟いて雪解け水が流れる。川に落ちたらどうやって大ザックを外して岸に登るかと頭の中で段取りを立てるほど心配した。一足一足注意しながら歩んでどうにか橋を渡り終えた。軽量のQさんがうらやましい |
左岸には林業伐採道があるらしく、樹林帯の木々に書いたり結んだりした目印が次々出てくる。インターネットでは右岸の林道を歩いた記録が多かったが・・・ 進んでみると右岸には崖や雪解けの本流に流れ込む崖沢に遭遇する。下流から林道が続いているのかもしれないが崖の下流で左岸(こちら側)に移らないとそれ以上巻いたり雪解けの沢を歩いたりするのは難しそうだ。まだまだ上流に登らないとスノーブリッジが本流に掛っていない。
左岸も大きな枝沢に出くわすと沢の上流に回り込んで越さなければならなかった(当たり前の選択)。残雪が崩落して斜面から本流まで笹薮が繋がっていたら残雪斜面を高巻するのが賢い。こんな回り道をしながら本流を詰めて行くことができた。 |
| 前方は二股で右手に深い沢、二股の間には急斜面の樹林尾根、ここは平坦な疎林、テント場適地か、Qさんと相談して荷物を下ろし、テントを設営した |
| 偵察に出かける。樹林尾根に取り付くと笹薮が出た緩斜面、続いてすぐに標高差50mの急傾斜の雪面だ。これを登って343m標高点先の緩斜面を登る。GPSと地図とを照らし見て平坦で広い尾根(等高点410m)を過ぎた。尾根の次に渡る雪沢の左右は樹林だ。沢の北側を登る。等高点400mで西にトラバースして低木疎林(尾根)に移って沢の南側急斜面を低木を抱きながら登る。急斜面の先が尾根上のコルになる |
| 尾根を詰めてコルの西側に出た。尾根の雪堤を歩んで樹林帯を抜け、傾斜の緩い尾根を北西に登る。これがラサウヌプリの山頂かと思えるように秀麗な前山に到着した。登ってみると頂上の先にまださらに高い峰が見える。あれを登りかえすのか、向いの山腹は強い圧迫感を放つ。時刻を確認するとまだ日没まで余裕がある。Qさんの決断で日没2時間前まで偵察し続けることになった |
| P752mの山腹はすでに森林限界を抜けてハイマツ帯である。その上、尾根上のコルから先はまた急登しなくてはならない。先行するQさんの姿と踏み跡を追いつつ、腐れ雪急斜面を注意しながらアップダウン、トラバースをしていった |
急傾斜軟雪斜面を登る。待っていたQさんの配慮で10分休をとり(早いQさんは20分休んだはず)軟雪急斜面登りを再開した。薄くなった雪の下からハイマツの枝が出ているのでクランポンを履いた足をとられてひやひやする。すでに割れ目が入った斜面なので雪崩を起こすのが怖い。Qさんは、尾根筋は無理と判断したのか、南東から登ってくる尾根を目がけてトラバースを始めた。腐った雪、薄くなった雪の下には笹も見え、滑る。雪崩は大丈夫なのか、靴から離れた雪が次々にコロコロと俵になって遥かな谷底へ跡を着けながら落ちてゆく。
ようやく左からつながる尾根に出て一安心、一呼吸して右手の主尾根に登る。今度は細い雪稜が続く。前を行ったQさんの足跡を踏み、雪から覗くハイマツの枝を避けながら一歩前だけを見据えて雪稜を越えた。腐れ雪しかないエッジを踏んでもらったQさんには「感謝!」というしかない。またして頂上と思わせた峰の向こうに、まだまだ登り尾根が伸びる、だまされた。足幅しかない細い雪稜(邪魔なハイマツも)が続く。左右の断崖には目をくれず、Qさんの足跡を忠実にトレースしてゆく。もう1日の暖かい日、あるいは一降りの雨があったらこの尾根を無事に歩くことはできそうにない。
右に遠音別岳から見た特徴ある岩峰が出てきた。前をみるとQさんが休んでいる。そこが頂上か。どうにかQさんのいる窪みについてホッとして、ザックを下ろして持参した魔法瓶から暖かい紅茶を飲んだ。偵察がとうとう登頂になってしまったがまだ日没まで時間がある。 |
| 奥遠音別岳(ラサウヌプリ)から見ると遠音別岳は男性的な姿に変わっていた。午後の太陽に斜めから照らされて陰影が深くなった尾根筋を遠音別岳まで目で辿ることができる。しかし数々の峰、谷を数えると、ラサウヌプリから遠音別岳まで高年齢の我々がテントを背負って縦走するのは可能とは思えなかった。 |
展望を楽しんだ後、往路に下った。細尾根、急傾斜山腹を再び歩む。「細心の注意が必要」と、疲れた頭に改めて気合を入れて往路の足跡の筋を目でトレースした。ふり返ると頂上尾根にも筋が証拠のように続く。
細い雪稜は左右を見ないように目の前のナイフリッジに心を集中して通過した。偽の頂上を過ぎて腐れ雪を崩さないように雪稜を中腰でくだり、尾根分岐からはトラバースに入った。往路のトラバースと同じく雪の欠片が谷底へ転がる。下りは谷底まで丸見えになるので、急斜面をさらに注意して(スタスタ歩くQさんに置いて行かれるのはいつものことと割り切って)山側の雪に手を突っ込み、谷側はピッケルで確保しながら一歩一歩ゆっくりと下った。
コルから登り返してP752mで休憩した。Qさんの提案で、(往路は谷をトラバースして西尾根に取り付いたが)復路は東尾根のコルまで歩いてコルから沢を急降下することにした。沢の傾斜を見計らい適切なところで東側の尾根に移って最後は平坦な尾根(等高線410m)に帰り着いた。沢からコルへの登り下り、コルから西尾根への登り下りも事前に心配したほどではなかったことも記しておこう。残りの急斜面も雪のおかげで駆け下り、明るいうちに天場に無事帰着することができた。
好天と残雪の締り具合のおかげで偵察が登頂に代わってしまった。そんなこともある。日没を計算に入れて天気予報と相談しながら行動することの大切さを学ぶことができた。山登りは冒険しないと(ハザードを克服しないと)面白くない。無理すると危険(リスク)が高まる。その間の選択(判断)が難しいが・・・ |
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| 4/24 |
テントを撤収して幕営地を出た。昨日と違って曇天、上流の峰には強風で流れる雲が、下流の山には霧雲がかかっている。この天気ではラサウヌプリをアタックしても登頂はまず無理だろう。
昨日の好天に感謝しつつ往路の踏み跡を辿って下る。Qさんはスノーブリッジでつながる対岸を撮影していたが、ここまで右岸を遡行するのはみたところ難しい。
クランポンの爪が利く朝の残雪をスタスタ踏んで伐採路の末端に帰着した。雲が目前の山から麓に向かって被さっている。雪上(往路からずっとだが)に休憩して周りを見た。枯木になった数本の古木が立つ。樹種は何だろうか、本州のブナ帯では見当たらない木肌だ。
立ち上がってほんの少し下ったところで「収穫調査」とある目印を見つけた。頻繁にあったテープは標識木やその評価のために歩くコースの目印だったに違いない。数年もたてば印はなくなってしまうかもしれない。今回の幸運を感謝した。
昨夜もフクロウに先駆けて鳴いていたが、エゾシカの大きな足跡が雪の上にあった。伐採道らしい平坦な川沿いをしばらく下って林道につけられた橋に着いた。橋上の残雪も融けて薄くなり、水溜りさえできていた。「あの緊張はどこに」という具合いに変貌している。標高が低いので一日の違いが大きい。橋の両側には林道がある。我々より前に山を下って来た濃霧で覆われた右岸の林道を進む。往路では見なかったシカ猟禁止の看板があった。なるほど昨夜の鹿鳴と今朝の足跡はこのおかげだ。
樹林帯の林道から雪原の中の町道に進む。濃霧で見通しが利かないのでスノーモビルのトレッドを探すが入り乱れて役に立たない。脇には「スノーモビル進入禁止」の標識さえある。沢音、GPSを頼りにまず地形図の138点を南に進み、ホワイトアウトの雪原(町道、畑?)で休憩した。ぼんやりとした路側の植栽をみて町道上にいることを確認してひとまず安心する。とはいえ今朝も熊の足跡が道を横切っていた |
| 霧が薄くなった町道を辿って橋に到着した。町道が橋に向かって下っていたとは記憶になかったが登りかえして町道入り口のスノーモビルと重機に再会できた。無事に上れたことを心からCLのQさんに感謝したい。 |