奥秩父  北奥千丈岳(2601m)・国師岳(2592m)
【期日】2010年11月20日(土)
 【メンバー】 L:S/K、 K/Y、 K/W
 【コースタイム】 
大弛峠(おおだるみとうげ)11:50→前国師(まえこくし)12:30→三繋平(みつなぎだいら)12:35→北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)12:40→三繋平12:50→国師ヶ岳(こくしがだけ)12:57〜14:10→三繋平14:22→前国師14:25→大弛峠14:52
【山行報告】
 今回は、大弛峠までマイカーで行き、標高差300m弱(徒歩1時間)で奥秩父最高峰の北奥千丈岳に登られるラクラク登山です。
 インターネット情報では「山頂直下までは90%が木の階段の過剰整備」との記事もあったが、今回は直前に雪が降った為に林道が通行止めになる可能性もあった。もし登山道に雪が残っていればハイキング気分とはいかない、標高2601mの山なので防寒具は冬山用で、念のためアイゼン・ピッケルを用意する。

 私の企画に先輩の美人二人が同行を申し出て頂き、いつもの登山とは違う緊張感からであろうか、登り始めるまでのドタバタを反省の気持ちを込めて書きます。同行のお二人には本当に御迷惑をおかけしました。(登山前の話に興味の無い方は、この章はパスして下さい)
 まず、朝6時にW先輩を迎えに行くが、すでにこの時点で10分遅れ(3月には30分以上待たせた前科があり本当にゴメンナサイ)、『・・・マンションでよかったでしょうか?』と電話をすると『もう目の前を歩いてます』との返事、おそらくドアノブを握って待っていらしたのでしょう。次にY先輩を迎えに新座に向いますが、早朝の川越街道が何故か渋滞、事故?と思ったらユニクロの特売に並ぶ車が原因。約20分遅れでY先輩との待ち合わせ場所に到着。事前に『電話するまで自宅で待っていて』と打ち合わせていて良かった。
 ここまでは序の口、さらに失態は続く。『中央高速に乗る時は、いつもは所沢インターチェンジから入る』との先輩のアドバイスを無視して環状8号線経由で調布インターを目指す。しかし早朝の環状8号線はすでに大渋滞、あちこち迂回しながら調布インターに着くも、入りそこねて入り口をもう一周(実は調布インターから入るのは生まれて初めて)。なんとか高速に乗って一安心するも、八王子の手前で渋滞。明らかに所沢インターから関越・圏央道経由の方が大幅に早かった。渋滞の原因は3台の追突事故、現場検証を見守る搭乗者は登山靴を履いている、楽しいはずの登山が台無しだろう。我が身に置き換えて、何はともあれ安全運転を誓う。はずかしながら、この後大月インターから河口湖へ向かう道に入ってしまう大失態、真っ青な空ときれいな富士山が正面に見え泣き出したい気持ちになるが『落ち着け、落ち着け』と自分に言い聞かせ、都留インターでUターンする。ここまで失敗するともう怖いものは無い、『いつかは着きますから』と開き直って運転する。その後は、勝沼インターで高速を下りて、塩山市内を通過し、やっと大弛峠へ向かう林道に入る。『少し休憩したら』という先輩のやさしいお言葉で、琴川ダムの休憩所で小休止、『以前、山にたどり着かずに、ここで鍋をやって帰った事があった』と先輩に言われ、『今日もそのパターンか?』と頭をよぎるが、気を取り直して林道を登り12時少し前に大弛峠に何とか到着。
 駐車場のトイレは、数年前の夏に来た時はハエが占領していて入る気がしなく、苦情の手紙を書こうと思ったが「どうせ2度と行かないから」と思いとどまる。今回は寒くなったせいか、小屋の管理人が代わったからか、ハエはいない。蛇口はあるが水が出ないのは残念だが消毒液(ポンプ式シャンプーの様な)が置いてある。少なくても寒い時期は大丈夫だ。・・・以上、登山開始前の私の反省文です。

 ここからが登山の話です。
 大弛峠の無料駐車場で準備をする。山肌は初冬ではなく晩秋の様子。雪は全く無い。アイゼン・ピッケルの出番は無さそうだが、今日は少ししか登らないのでわざと荷物を重くして登る、約13kg。3月の鷹ノ巣山は14kgだったから登れるはずだ。天気は数日前まで雨60%だったが、テルテル坊主を作り3人で祈った願いが天に届き、11月下旬とは思えない暖かい快晴。しかし服もわざと冬山用の純毛の下着と、毛布の様なシャツとニッカズボンで登りだす。
 駐車場から山に入るとテント場と大弛小屋がすぐに現れる。小屋の御主人に登山計画書を預ける(ポストは金峰山側の登山口にあるそうです)。 前後をY先輩とW先輩に守られて登り出す。歩き出していきなり急登、木の階段が整備されていて、高校生の時に校舎の階段をコンクリート板を担いでトレーニングした時の様だ。息はハアハア、リックザックが重い、暑い、のど元が苦しい、Y先輩がどんどん先に行く、付いて行ったらもたない、自分のペースを探して登る。W先輩はいつもの様に写真を撮りながら余裕しゃくしゃくだがリックザックの重さは私と同じ位だった。相変わらずの木の階段が続く、階段の下に見える本物の登山道は奥秩父らしい土と木の根の自然の階段で、30年前に2回歩いた事があった。最初は秋に金峰から飛龍まで縦走中に25kg背負って登った。2回目は2月に新雪をかき分けて登った。50才を過ぎた今は遊歩道の様になったこの道でも苦しいのは仕方無い。しかし、先輩二人は元気だ。
 延々と続くかに思えた階段も途切れ、八ヶ岳・南アルプス・富士山が見渡せる場所に着く。W先輩が写真を撮っている間、景色を眺めるフリをして小休止。その先はゆるい登りで前国師、そしてそのすぐ先の三繋平に到着。ここは奥秩父主脈縦走路と、奥秩父最高峰・北奥千丈岳とのT字路だが、「三繋平」の標識は立って無く登山地図にも記載されて無いので、この呼び方は忘れられてしまうかも知れない。ここから南にわずかで北奥千丈岳に到着。相変わらず快晴で周囲の山がよく見渡せるが、富士山五合目以上と南アルプスの白峰三山の最上部以外は、ほとんど雪が無い。小休止で国師ヶ岳に向かう。

 三繋平に戻り、東にわずかで国師ヶ岳に到着。ここで昼食休憩とする。Y先輩が豚汁を御馳走してくれました。食材・ガスコンロ・コッフェル・水・はし・食器まで一式を『内緒で』持ってきてくれて、本当にありがとうございました。さすが主婦、とっても美味しかったです。アプローチに手間取ったにもかかわらず、ノンビリと昼食休憩1時間。さすがにジッとしていると少しの風でも寒いのでヤッケを着る。頂上に着いた旨を会とメール友達のIさんに送信(もしもの時の為)。おなかも一杯になり、昼寝をしたい気分だが、そうもできないので荷物をまとめ始める。下山前に記念写真を撮ろうとするが、カメラがうまくセット出来ないでいると、天の助けが出現。『誰かシャッターを頼める人が来ないかな』と思っていたが、昼食中の1時間に誰も来なかったのに、ちょうど来てくれたので、顔を見たとたんに、「こんにちは」より先に『来た』と叫んでしまった。大阪からの単独登山の男性は、びっくりして立ち止まる。本当に失礼しました。快くシャッターを押してくれるだけでは無く、『こうすれば逆光でもよく写る』と写真の撮り方も詳しい。本当にありがとうございました。

 気持ちを引き締めて下山開始、距離も登山道も楽勝ムードだが、油断すると何が起こるか分らない。下山中に単独登山の男性2人と、80才を超える女性を含む3人組ともすれ違うだけで、登山者は少ない。大弛峠の駐車場に車は多いが、ほとんどは反対側の金峰山に登っている様だ。無事下山し、忘れないうちに下山報告の電話をした。携帯電話をドコモに変えたので大弛峠でもアンテナマークが3本立っている。先輩は『汗をかくほど歩いていない』とおっしゃるので温泉は省略して帰路につく(「渋滞も私の運転も心配なので温泉どころでは無い」というのが本音でしょう)。帰りは圏央道・関越道を経由して無事帰着。

 登山開始前の失態はすぐに忘れる事にして、天気と先輩二人のおかげで大変楽しい山行でした。豚汁もとっても美味しかったです、この御恩は一生忘れません、御馳走さまでした。私は一人で登る事が多かったのですが、みんなで登ると、とっても楽しい事がわかったので単独登山は卒業します。

 (会員の皆様へ、まいど自分中心の報告でしたが、会報「山道」の原稿はY先輩にお願いしましたので、冷静な報告はそちらを御参照下さい。)・・・記:S/K、写真:K/W
 
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