【07月26日 斜里岳】
【登山記録】
【コースタイム】7/26(火)斜里岳
清岳荘・斜里岳登山口5:00→鉄階段→5:20林道末端→05:56仙人洞→6:04「六合目845m」休憩06:15→
→下二股 旧道へ6:15→06:19水蓮(水廉)の滝→6:37羽衣の滝→万丈(方丈)の滝→06:43ロープ場→
→06:55「七合目」→「七合目」の上で休憩→07:11見晴らしの滝→07:15竜神の滝→「八合目」7:17→
→上二股7:41→7:54ハイマツ帯→08:06「九合目1370m「胸突き八丁」08:07→馬の背8:15→
→白い社のある峰08:34→8:43斜里岳(1547m)→三角点1535.8m→斜里岳昼食9:11→馬の背9:28→
→上二股新道へ9:58→分岐を竜神の池へ→10:05竜神の池→新道→10:20休憩10:23→
→ハイマツの尾根10:30→10:33 1250m峰→10:51熊見峠水飲み休憩10:55→尾根を下る→
→11:16沢に向かって急降下→11:45下二股休憩11:56→仙人洞12:05→6合目11:58→12:24沢から離れる→
→林道末端12:30→12:45林道から鉄階段を登って→12:51斜里岳登山口・清岳荘
【入浴、移動タイム】
7/26(火)清岳荘5:00→08:43斜里岳09:11→12:51清岳荘13:05→13:34ホテル緑清荘14:42→16:29木下小屋
20110723〜31北海道に戻ります
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【記録】
【アプローチ記録】
  昨夜降っていた雨は夜半に上がり、朝焼けの空になった。04時少し前に起きて寝具整理をし、1階キチンに降りて湯を沸かす。コンビニ弁当などで朝食を済ませ、パッキングし直した荷物を外に運び出した。薄曇から曇りの空だ。清岳荘裏から朝日が昇り、鳥の囀りが大きくなった。管理人室前受付場所の掲示には7月18日から遭難が3件続いていると記してあった。
【山行記録】
  遭難騒ぎを起こさないようにと心に決めて清岳荘を発ち、すぐ横の斜里岳登山口に立つ。地形図の清岳荘なら標高660mにあるのだが高度計の表示ははるかに低い値を示している。針葉樹広葉樹の混交林の中を巻き気味に登る徒歩道を歩むと目の先に鉄製の階段があった。階段を下りて真っ直ぐに延びる林道を進む。約15分で林道末端の広場に着いた。 YSさんが「前回来た時の清岳荘はここにあったはず」という。帰宅後、GPSログデータで確認したところによると地形図の清岳荘の地点と一致していた。「斜里岳頂上3.6kmの道標」が立つ。
  チエサクエントピ川源流の沢沿いの道をしばらく歩くと、流れに突き当たる。岩は鉄錆色に染まり、水中に魚や昆虫の姿は無い。ここから沢を石伝いに何回も跳んで渡ったり、岩を抱いてヘツッたり、音を立てて落ちる滝を避けて巻いたりするが岸に目印の赤テープがぶら下がり、固定ロープなども着けられているので迷うことなく、歩きやすい。
  仙人洞に到着した。埋まりかけた唯の崖の凹みにしか見えない。「なぜ仙人、なぜ洞?」と疑問が湧く。「六合目845m」板がぶら下がるコンクリ場で休憩した。何かの跡と思えるが説明はない。歩き始めてすぐ上が下二股であると分かった。下二股からの登りは少々ぬかるむ旧道(沢道)を進む。次第に沢の斜度があがり、登山路は沢の中から沢沿いに代わる。急な場所にはきっちりと固定ロープが設けられているので掴まりながら登る。
  水蓮の滝(パンフには水簾)、羽衣の滝を過ぎる。振り返ると谷間から麓の斜里地方が見える。このあたりから万丈の滝にかけてが、旧道の核心だ。固定ロープに感謝しながら登る。沢が狭くなってきたがまだまだ滝がある。パンフによると下流から水簾、羽衣、見晴、万丈(方丈、どっち?)、七重、竜神、霊華などの滝が連なっているらしい。「七合目」の滑り易いロープ場を登って休憩した。このあたりにはミソガワソウ、タカネトウウチソウ(若しかしたらシロバナワレモコウ)が多い。追い抜いてきた男女2人組は今どこだろうか。見晴らしの滝、竜神の滝を過ぎ、「八合目」を越すと上二股になる。ここにも注連縄が張ってある。沢筋の水も減り、登山路脇の草むらにはチシマキンバイソウの群落が美しく開花して連なり始めた。
  登山路の左右の斜面がハイマツ帯に代わり、ダケカンバの枝に「九合目1370m」「胸突き八丁」と2枚の案内板がぶら下がっていた。洗掘されたザレ・ガレの急坂が始まったがなんと言うことも無く登りきり、馬の背という鞍部に着いた。尾根筋には北の斜里岳へ導く道だけでなく、南東の尾根・峰を通って南斜里岳へ向かう踏み跡もついていた。谷間から、知床連山が見え、振り返ると川湯あたりか、噴煙らしいものが見える。見上げる斜面にはエゾゼンテイカが咲き、緑の中に橙色で美しい。
  展望を楽しみ、息を整えた後、頂上手前の峰の急な斜面を登る。一段高い斜里岳頂上に人影が見えるが、先に登っていった2人だろう。この前衛峰の上には斜里岳頂上を背にした真白い小社があった。拝礼して頂上峰の斜面を登る。足元の岩場にはアズマギク、タンポポ、イワギキョウ、叢にはヤマオグルマが咲いて高山らしくなってきた。
  斜里岳の頂上にはコンクリートで固めたケルンに貼り付けた山頂標がある。それを背にして男女二人連れが休憩中であった。まず少し離れた場所に下って三角点を拝む。石柱でなく黄銅のペナントであった。斜里岳頂上に帰って昼食を摂りながら展望を楽しむ。知床連峰、オホーツク海の海岸線と斜里地方のパッチワーク、川湯の硫黄山が霞んでいる。高山蝶が舞い、高山植物の花は美しいが、む、頭上に積乱雲の卵が出てきた。
  去るには早いと未練を残して斜里岳頂上から二人連れの後を追って下る。白い小社で拝礼している男性2人連れとすれ違い、馬の背で、体調不良で途中から下山したはず男性と再会した。休憩中の男性と挨拶を交わしている。二人は羅臼岳で同行したという。羅臼岳ではクランポンは使わなかったと二人して教えて貰った。気をつけてと声を掛けてザレ場を下る。ザレ場の急坂でツアー登山の団体が登って来た。一組を待ち終わって下ると二組め、集団登山のマナーをしみじみと味わう機会になった。
  そのまま上二股に下って新道に入った。低木林の中、登り気味に進むと竜神池分岐があった。通り過ぎて後悔するよりはと竜神の池へ進む。急坂を滑り下って湿原に出た。小さな棚田のような竜神の池には大量の水が湧き、藻が揺れている。口に含んでみるが鉄味が強くて美味しいとは言えなかった。池から沢筋に進み、目印に従って登り返すとすぐに新道に出た。
  休憩後、低木を潜りながら尾根へ登る。斜里岳頂上が前衛の尾根に隠れてしまった。ハイマツの尾根へ到着した。陽射しが強いが微風が吹いて心地よい。ここのハイマツの陰にもリンネソウがった。1250m峰を過ぎるが尾根筋は強い日差しのせいで暑い。ハイマツに微風が遮られると蒸せ返る。熊見峠は小峰の頂上にあった。屈斜路湖を眺めながら水飲み休憩をする。ハイマツと登山路の境にはコケモモ、シラタマノキ、イソツツジが生えているが既に花は終わり実を結んでいた。
  アップダウンを終えたのでいよいよ下り尾根に入る。登山路は緩やかな尾根から沢に向かって急降下していた。ハイマツ帯を抜けると低木の樹林帯が現れ、沢音が次第に大きくなった。泥で滑りやすくなった道を下り終えると下二股に出た。
  休憩した後、目印を確認しながら見覚えのある沢筋を下る。仙人洞、6合目を通り過ぎ、石跳びでも誰も水に落ちることなく、沢筋から離れて徒歩道へ移ることができた。樹林帯の中で今日もシマリスが我々の前に飛び出して無事を祝ってくれる。
  林道末端からはルンルン気分で咲く花に集まるシジミチョウ(ダイセツシジミ?)、クジャクチョウ、タテハを追う。林道の脇には外来侵入種であるフランス菊も咲いていた。鉄階段を登って林道から高木林中の徒歩道に入る。足取り軽く清岳荘に向かい、階段の上の玄関に出ていた管理人さんにお礼の言葉をかけて斜里岳登頂を終えることができた。
【入浴、移動記録】
  斜里岳登山口・清岳荘駐車場を出発して、林道分岐を注意して見た。広い林道は封鎖されていたが「なるほど、かって、この奥に清岳荘と登山口があった」と改めて納得できた。林道から一般舗装道路に出て、道なりに南19号、1線、南14号と清里町に進んでホテル緑清荘に着いた。
  入浴後、途中のコンビニで今夜の夕食、明日の朝食、昼食、飲み物などを購入して羅臼岳登山口の岩尾別温泉に向かう。ウトロの町を通り過ぎ、オホーツク海沿いに進んで峠ヘの道路と岩尾別温泉分岐で分かれる。道路の思いもかけない場所に車が止まり、カメラを構えた男女が路上にいた。見れば法面、川の両岸、そして疎林の中に鹿の群れがいる。立派な角を持った牡鹿や子供連れの雌など一目数十頭状態だ。路傍の車を避けてゆっくり進む。対向車も突然止まったり、スピードを出したりと危ない。
  ゲートを300m過ぎて岩尾別温泉についた。ホテル地ノ涯の前で案内をしていた男性従業員に木下小屋の場所を聞いて沢沿いの狭い道を登り、駐車した。小屋の脇が羅臼岳登山口になっている。
  入口ドアを開けてISリーダーが受付で宿泊手続きする。部屋は2階奥、同室は他に2組だそうだ。寝場所を決めて小屋の外のテーブルへ出て、いつもの乾杯・歓談・夕食にした。食事が終わって左足を見たら、数箇所も刺された跡が膨れていた。ここは刺す虫が多い。見ると蚊取り線香をくゆらしている人もいた。
  昔はランプの小屋という評判だったが今はランプの火屋の中に白熱電灯が入っている。火事のことを思えば当然の時代の流れだろう。管理人さん夫婦の話では「雪はあるが登山路にはないのでアイゼンを使う必要ない。下山したら小屋の裏に露天風呂があるので汗をながしたら」とのことであった。
  曇空ながら夕焼けで、安心して寝袋を広げて入る。夜半に起きて外の公衆便所へ出たら狭い谷間ではあるが空には星、トラツグミが鳴き、沢音だけが聞こえていた。