上越(頚城) 昼闇山(ひるくらやま)・新田山
05月20日(金
山スキーのメッカ昼闇山で海谷山塊の岩峰ー烏帽子岳、阿弥陀山、鉢山と頚城山塊の焼山、火打山の展望を楽しむ
期間 2001年05月19日(木)〜21日(土)
【参加者】CL=(TKさん)、T礒田(計2名)
【コースタイム(休憩を含む)】
アケビ平(740m)テント場04:45〜05:21北尾根〜05:39標高点1111m付近〜06:00新田山稜線分岐〜7:30標高1600m付近(雪のトンネル=既に崩落)〜08:17頂上稜線(北東峰)〜08:27昼闇山(1840.9m)9:37〜頂上稜線薮〜昼闇谷へ〜雪壁・急斜面降下〜11:00昼闇谷崖上端付近11:06〜11:56雪斜面降下谷底へ〜昨日偵察した雪橋12:30〜雪斜面・薮を登る〜12:47アケビ平(740m)テント場
【コメント】
   夜半に杉に枝やフライを鳴らしていた風も止み、3:04に起床、何時ものように寝具を整理して朝食の準備をする。雪解け水をたっぷり汲んできたので今朝は雪を融かす必要が無い。湯を沸かして、相変わらずの即席ラーメン/α米雑炊と茶で済ませた。食器や調理道具をパッキングし直してテント内に残す。
   アタックザックに雨具兼防寒具、昼食・行動食、湯・水を入れてテントの外に出た。今朝も快晴、微風、気圧も929hpと昨日と変らず、高気圧に覆われていることが分かった。 用を済ませて、4:45にアケビ平(740m)テント場を出発した。昨日、久曽神さんが選んだ「アケビ平から直接、北尾根を辿り、P1606の雪トンネルを通って山頂を目指す歩程8:00」とのコース通り、杉疎林の中の雪上を進む。アイゼンがよく利いて心地よい。背後を見ると阿弥陀岳〜烏帽子岳が朝日で染まっている。杉林は広葉樹林(ブナ主体)へ代わり、尾根まで雪が着いている急斜面を選んで登る。標高点1111mの西側にある北尾根緩斜面で休憩し、汗を拭った。西の山の端に月が沈みかけ、その下の斜面のブナの新緑に朝日が当たり、近くでトラツグミが鳴き、足元の雪面にはスキーの痕跡がある。
   雪原を再び登り始めた頃、北尾根の薮越しに朝日が上がってきた。ウグイス、ホトトギス、カッコウ、ツツドリ、ジューイチ(?)、名を知らぬ小鳥の囀りが聞こえた。北尾根の稜線が新田山の稜線と合流、北尾根の東に移ると雪堤が続いて歩きよい。東を望むと白い筋が残る鉾ケ岳と焼山温泉近くの集落、そして緑の新田山を従えてどっしりと鎮座している。北尾根は次第に細い薮尾根に代わり、雪堤に山桜が花弁を散らしていた。カモシカも今朝、谷から薮へ雪堤を横切って登ったらしい。蹄の跡が続いていた。雪堤が切れて薮に入ると、15分間も切れ目なしにカタクリの花が薮尾根に続く。ポツポツ拾いながら登って来た雪堤がとうとう大きく切れて薮漕ぎになる。こんどはなんとギョウジャニンニクの大群落がカタクリと尾根を延々と登っている。そんな薮尾根に赤プラ境界標が転がっていた。なるほど薄い踏み跡が残っていたはずだ。ようやく雪堤が現れて休憩をとった。 隣の稜線越に焼山がほんのわずか頭を覗かせ、北尾根の低いブナ、ダケカンバなどの木立の向こうには鉢山、阿弥陀〜烏帽子岳、さらに向こうに海谷三山も出てきた。
   再び入った尾根筋の密薮から逃れて西側斜面の疎林に入る。どういう訳か疎林の中の薮は薄い。薮を抜けて等高線標高1600m、雪のトンネルと言われる地点に着いた。すでに尾根の雪庇は落ちて細い雪の巻き道と薮に変っていた。幸運なことに薮が薄い。薮に山境界石杭を見つけた。無雪期に境界を巡視する人がいるのであろうか。雪の上へ出て休憩をとって息を入れる。北尾根ももう終わりに近いようだ。右は昼闇谷の向こうに海谷三山、青海黒姫山に、北アルプス末端、左は焼山から昼闇山に連なる稜線が展望できるようになった。
   雪の急斜面を登って頂上稜線にでると真っ白な昼闇山北東峰に着いた。コルに下って登り返すと昼闇山の山頂であった。こちらの方が低く、薮が出ているが三角点1840.9mは雪の下らしく見当たらない。南側が薮で視界が悪いので少し西へ下って昼食を摂りながら1時間も展望を楽しむ。青空の下、海谷三山が全部(鋸〜鬼ケ面〜駒ケ岳)、鉢山が言葉通りの兜の鉢形に、阿弥陀岳〜烏帽子岳、前烏帽子岳、雨飾山も北アルプス後立山、栂海新道の山々を後にどっしり、昼闇山頂上の向こうに火打山と焼山、金山の尾根が続く。昼闇谷を見下ろすとその向こうに登って来た北尾根と大きな鉾ケ岳が見える。
   すばらしい展望は名残惜しいが下山せねばならない。北東尾根を目指して細尾根を下る。標高差はたいしてないものの尾根から雪が落ちて酷い薮が出ていた。僅かに残る雪堤に出て喜んでもすぐに雪が切れ、枯木に結び付けられた古タオルの目印からまた薮が始まる。ほんの10mが中々進めない。とうとうTKさんは北東尾根を諦めて等高線標高1800mから擂鉢のような昼闇谷へ降下し始めた。雪壁を四つんばいでクライムダウン、急斜面を電光トラバースしながら、一歩一歩、慎重に下る。雪男のように雪壁・雪斜面に慣れた久曽神さんに、何時ものように置いて行かれる。ようやく急斜面を下り終え、デブリ末端の大雪塊の近くに着いた。標高差約400mの大緊張の急降下であった。少し先には昼闇谷の崖地帯入口が見える。待っていた久曽神さんと合流、礒田は汗だらけだが久曽神さんは休みすぎて体が冷えたとのことである。
   二人揃って、広大で平坦な雪原をのんびり下る。芽吹き紅葉が始まる高度(約1250m)まで下って休憩をした。次第に新緑の昼闇谷も平坦地から深く切れ込んだ峡谷となる。北尾根へ急斜面を登り返すよりは雪の斜面を昼闇谷の底へ下りてアケビ平へ登った方が良いと谷底の雪の上へ下る。谷底へ岩を落とした雪崩跡(デブリ)を何箇所も踏み、雪の谷底を下る。とうとう雪解け水が谷を割って現れ、両岸の崖下に残った狭い雪堤の裾を流れが洗って抉っていた。ほんの数m先の雪原まで雪堤が届かない。TKさんは、崩れた雪堤と崖の間の割れ目を抜け、雪が落ちた泥崖にアイゼンの歯を立て、細い潅木を掴んで登り越し、下流の雪堤と流れの間の窪みに入って中腰で抜けて雪原へ攀じ登った。礒田が渡ろうとしたら雪堤がさらに割れて崖との間に流れが入った。仕方が無いので礒田は少し上流に戻り、雪堤の端から川の中の岩に降りて、左岸の雪の上に跳び移った。そのまま左岸を昨日の偵察に利用した雪橋まで下って再び右岸へ渡って久曽神さんと合流した。残雪期は雪解けで水が増えるので渡渉が最も頭を悩ませる。
   昼闇谷から斜面を昨日と同じルートを辿ってアケビ平へ登り、杉林へ入った。緩斜面の杉疎林で所々の瘤が薮となり、回りこんでは「テントはどこ」と探す。薮しか特徴の無い場所にテントを設営した報いだ。テントを見つけてTKさんに大声で合図した。ともかく無事に昼闇山を往復することができてホッと緊張が解けた。 テント場の上の空は快晴、気圧が2hp低下したがまだ、真昼の強い日差しがテントに当たっている。テント内は真夏のように暑い。
   避暑するために沢まで水汲みに出かけた。今日半日で雪解けが進んだのか、水量、濁りとも増えている。全ての水筒に濁り水を汲み、岸に頭をもたげているクサソテツを夕食のお土産に摘んでテントに戻った。テントに日が当たらなくなるまで木陰で休む。杉の花粉が大量に舞っているのか、くしゃみと鼻づまりが始まった。太陽が杉の葉陰に隠れる頃、テントに入って行者大蒜とクサソテツを肴に焼酎お湯割りを飲む。夕食のα米・レトルトカレーも登頂達成の余韻で味わいが違った。後片付けをして日没前に寝袋に入る。昼闇谷の沢音が昨夜より大きくなったようだ。今日のコースを頭の中で辿っているうちに寝入ったしまった。鼻づまり・鼻水で夜半に目が覚めてテントから出てみた。昨夜と同じく、月も北斗七星も杉の木立の上に輝いていた。
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