【山行記録】 
2月11日
 
第3日: ジョンマッテ(3505m) - ブジュク(3962m)
 
 谷間の山の端から上った朝日がブジュク キャンプを射すと草やセネシオに覆われた台地から湯気が立ち上る。室温は15℃もあった。朝食を終えて広場に出てみる。草地だが水を含んでテントを張るには不適だ。そこではロバーツさんが食器を洗ってパッキングしている。
 
 ジョセファさんを先頭にジョンマッテから水場の沢を渡って西に向かう。ブジュク川を渡渉して、ロアー ビゴ ボグ(第1湿原)に入った。ビゴ ボグは球状に盛り上がったスゲ(花を見るとイグサではないことが分かるが葉は爪楊枝に使えるほどイグサに似ている)の株に覆われた高層湿原で、梯子を寝かせたような木道が敷いてある。注意してリズムよく梯子を踏んでいけば踏み外す事はない。木道には所々に浮きが付いて増水にも沈まぬようになっていた。木道が湿地に沈んだり、壊れている所ではスゲの大株の上に乗り、株から株へ跳んで渡る。株から落ちると膝まで湿地にめり込んでしまう。足の置き場を間違えると腰の深さまで沈んでしまうという。足の置場を探ってくれるガイドの指示を良く聞くことだ。ゴム長靴とストックは不可欠の道具である。草木を掴んでバランスを取るのでダブルよりシングルストックの方が歩き易い。
 
 ロアー ビゴを渡った後、セネシオやエバーラスティングフラワー (40年毎の開花周期があると言われている)が茂る急斜面を登り、ビゴ ハットに向かう。放棄されたキャンプというが中は綺麗に清掃され、火鉢用のトラックのホイールが小屋中央に置いてあった。ビゴ ハットから急な斜面を登り、泥濘道をアッパー ビゴ ボグに向かう。アッパー ビゴ ボグ(第2湿原)には幅広の踏み板木道がボグの上に敷かれている。踏み板は埋もれかけているが見えるので渡り易い。踏み板が水に深く沈んでいるところでは細くなったブジュク川を渡渉して対岸のボグを歩き、また渡渉し返して木道に帰る。これを繰り返すのだからガイドなしでビゴ ボグを通過するのは無理と思われる。木道が無かった昔は胸や腰まで湿地の泥(泥炭)に浸かったと言う。
 
 アッパー ビゴ ボグを抜けてヘザー林の中の急斜面を登り、ヘザーの木がエバーラスティングフラワーの薮に代わったアフロアルプス草原帯に入る。沢筋や水分が多い場所ではジャイアント ロベリアやジャイアント セナシオが増え、ジャイアント セネシオの密林の中を登るようになった。アロージャスさんが「ルエンゾリ ダイカ」とジャイアント セネシオの密林の中を指す。木の間に小さな褐色のダイカの体が見えた。アッパー ビゴ ボグとブジュク湖の間のランチプレースに到着して昼食をとる。見下ろすやアッパー ビゴ ボグに続く渓谷は面白い植物で溢れて乾燥したキリマンジャロには無い風景だ。
 
 ようやく覗いた青空に向かって氷河のモレーンを登って行くと谷の奥に待ちに待ったスタンレー山地の素晴らしい姿が見えた。「右がマルガレータ、左がアレクサンドラ、間がマルガレータ氷河」とガイドが教えてくれる。ジャイアント セネシオの林の中、沢になってしまったブジュク川を何度も左右に渡って最後に溝を跨ぐとブジュク湖が見えた。ここからの湿原は最悪のボグになる。その中でもブジュク湖すぐ近くのボグは最悪で、泥濘の中に沈んだ細い木の上を前後のガイドに手を支えてもらって一人づつ渡る。ガイドの支えなしに渡り始めた気短なHTさんは途中で動けなくなってしまってガイドが助けに行ったくらいだ。ブジュク湖の上には渡ってきた雲から降る小雪が水面に小さな輪を作っているが褐色の水の中に魚や虫の姿は無い。はるか向こうの島近くの水面に鴨が2羽浮かんでいたが我々が近づくにつれ遠くに去ってしまった。
 
 ブジュク湖からブジュク ハットへ行く登山路は湖の東側の岸にある。湖岸は泥濘続きだがこれまでに比べれば歩きよい。岩陰のクッキングポットケイブを過ぎた草地でようやく谷の奥にブジュク ハットが見えてくる。それからまだかまだかと思いながらの15分でブジュク ハットに到着した。
 ブジュク ハットも数棟のハットで構成され、登山客用のハットはベランダ、食堂と4つの寝室に分けられている。寝室には2列3段のベッドがある。我々は右奥の寝室に入った。お茶、夕食が終わった19:15に測った室温は5℃で今までのハットよりかなり寒くなっていた。
 
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Feb/10 : Feb/12