| 【山行記録】 2月16日 |
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| 第8日:ガイユーマン(3505m) - ニャカレンギジャ(1615m) 予想通りロバーツさんは、「今日はニャカレンギジャまで下る」と言って「そこで二泊できる」と続けた。どうも結論は出発の時から出来上がっていたのではないか? ガイヨーマン ハットの裏にある小道へ07:30に入った。相変わらずヘザー林の中の泥濘道を下る。天気が良い上に何度もルエンゾリ トゥラコ(特産鳥類)を間近で観察できたのが救いであった。所々でムブク川の河原に出て滑り易い石を踏んで川を横切ったり、川に沿って下ったりする。登山路は次第にムブク川から南に離れて泥濘の多い森林を避けるのだが今度は岩場、オーバーハングした崖地域を進む。崖の下は乾燥している。「ここからキチュチュ (クチュチュともチュチュとも聞こえる)、土埃っぽい場所という意味」とアロージャスさんは教えてくれた。キチュチュも最初のうちはそんなに傾斜がないが、すぐに急傾斜の岩場に代わる。滑落しそうな場所には木製梯子が設置されているが修理に手が回っていない所もあった。また急傾斜の岩場で登山路と岩面を流れる沢と何度も交差するので注意して下らねばならない。最後の梯子の下は湿った草原でテント場、キチュク キャンプのようであった。 すでに到着していたポーターとコック助手が全員集まって我々を待っていた。いままでと違う雰囲気だ。休憩中にガイドがMYさんに、「チップをここで呉れないか」と言う。どうもポーター達もそれを期待している様子だ。MYさんは「ゲートで」と繰り返す。 キチュク キャンプを過ぎると登山路は竹林帯に入る。ブジュク渓谷よりムブク渓谷のほうが竹林ははるかに広く斜面を覆っていた。竹林の中はやはりボグ道が続くが竹を掴めるので幾分歩き易い。尾根を下っていくにつれ、再び沢音が大きくなり、ムブク 川を渡るキクク橋に着いた。この新しい橋を渡ると登山路はムブク川渓谷岸の竹林を登り、ニャビタバ尾根の稜線に着く。稜線は竹林からひょろ長い山岳森林に代わり、道も次第に乾燥してくる。マホマ湖分岐から先は広いトレッキング道となり、涼しい風も通り始める。鼻歌交じりでニャビタバ尾根を下ってとうとうブジュク川渓谷分岐に帰ってきた。アロージャスさん、ジョセファさんと握手して無事を祝い、水道管沿いにニャビタバ ハットに向かった。 ニャビタバ ハットで昼食休憩となったが再びガイド、コックのチップ要求攻勢にあった。MYさんは同じ答えを繰り返し、「我々が旅行代金を支払ったケニアのDDWと電話連絡をしたい」と改めて伝えた。彼らは「OK、もう少し下った所に何社も携帯電話が通じる所がある」と言って帰っていったがMYさんが席を外した時を見計らってTIに「MYはなぜここでチップを呉れないのか?」と聞きに来た。「MYさんはゲートでチップを渡すと言っている。もしも残り二泊の費用を我々が負担するようになったら我々は不満足だからチップからその費用を差し引く」と答えた。理解したようで帰って行ったが納得したかは分からない。入れ替わりにロバーツさんが「ジョエルさん持ちでニャカレンギジャで二泊できるようになった」と連絡に来た。 本日登ってきたアメリカ人が「札幌、大阪、横浜と素晴らしい旅行をしてきた」、われわれも「素晴らしいルエンゾリを楽しんで」と返して青空の下、ニャビタバ ハットを出る。往路と異なり、下りは木々の緑や路傍の草花を楽しめるが感激は薄い。途中のランチプレースでMYさんがDDWの社長に今回の顛末を電話した。話の途中で料金がチャージした金額に達したため電話が切れてしまったが、社長はなにかトラブルがあったと理解したに違いない。ランチプレースから下ったマホマ橋の袂ではこの二、三日雨が少ないのか吸水に来た蝶が空中を乱舞し、地上に集団をなしている。なかには登山客やポーターに踏まれて可哀相な姿ものも散らばっている。陽射しが強く暑いので日影を選んで下る。登り返してニャカレンギジャ ゲートに帰ってきた。 「ルエンゾリを踏破し終えたんだ」と感傷に耽る間もなく、ガイド、コックの3人がチップを要求し始めた。MYさんに「ここがゲートだから、チップを渡したら」と提案した。オーストリー人登山者がMYさんに教えた金額はDDWが日程表に記していた「ポーター・ガイドに$5~10」の半分であった。MYさんは我々の了解の上、DDWの金額を渡すことにし、人数がはっきりしないポーター分はロバーツさんに渡して分配してもらうことにする。チップを受け取ると3人でなにやら相談していたがすっきりした様子で歩き始めた。 ゲートからしばらく歩いた薮脇の道で出迎えにきたジョエルさんに会う。杖を突いて病み上がりのような歩みだったので「マラリア発熱は本当かも」と思った。すぐにRMNP事務所に到着する。今日は外のベンチに誰もいない。事務所に入って下山届とアンケートを記入した。アンケートの中、公園の運営に関する登山者提案の欄は日本からメールで送ると言って書かないで許してもらった(早く送らなければ)。係官のムブサさんの話では「ルエンゾリ山地国立公園に年間千人のビジターが入る。その中の何人がマルゲリータ登頂できるかは知らないけれどね。ブジュク ハットから下山したクロダ ヨシオさんは元気になったよ」とのことであった。ハットのベッド数を16~20人、1週間で事務所が開いて入山できる日が3日、月に4週、登山は2回の乾季に2月づつとすると770~1000人と計算できる。「なるほどトレッキングの最適期は各ハット満員が続くのか」と思った。RMSに事前予約が不可欠だ。 小一時間歩いてルボニ コミュニティキャンプに到着した。ジョエルさんの先導でレストランまで登る。宿泊場所はさらに坂を登ったところとのことでポーター預けの大荷物をキャンプのマネジャーに運びあげてもらった。着いて見るとしっかりしたテントが二張、一方がシングルベッド、他方がツインベッド、テントの上は草葺屋根になっていた。入口の鍵を開けて男性2人はツイン側に入る。荷物を放り込んでレストランのテラスに降りる。 ガイド、コック、ポーターが全員集合し、最初の一本はMYさん持ち、後は各自払いということで恒例の乾杯パーティを開いた。下山後のビールは何時でも何処でも気分を良くしてくれる。MYさんはルボニ コミュニティキャンプの従業員にルエンゾリの歌を歌って貰って「チップをはずみすぎた」と言っていた。結局18本のビール・ソーダを我々持ちで飲んだらしい。 乾杯後、ポーターの一人が「ロバーツさんから一人当たり$10しか貰ってない。いくらロバーツさんに渡したのか?」とTIに詰問しに来た。「もっと沢山渡した」といったら、ロバーツさんと口論を始め、ロバーツさんはとうとうポーター全員を追い出してしまった。「コック助手に増額したので」と弁解していたがガイド、コックの取り分を増やし、ジョエルさんにも分配したのではなかろうか?ジョエルさんが現れる前にチップを執拗に要求していたのも3人で配分を決めたかったに違いない。MYさんが聞き出したところによるとルボニ コミュニティキャンプの女性従業員のジョーゾさんは高卒18才で月収$25とのことであった。それから考えてみてポーターに$10は妥当なのかもしれない。もちろんポーターはRMSからポーター料を貰う。理想は我々からチップをポーター一人づつ直接渡すのであろうが、今日始めて顔を見た気がするポーターもいるという状態では難しかった。 |
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| Feb/15 |
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