ヨーロッパ・アルプス 孤高の女王 
  
マッターホルン(4478M)を登る!
 
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 ☆8月1日(木)4000M峰 ワイスミ−ス(4023m)峰縦走

 晴天。朝3時半起床。4時朝食。4時40分アルマゲロ小屋発。本番さながらの、ヘッデンをつけての今日の朝の第一歩は緊張する。岩稜帯を歩き始めて一時間すると、モルゲンロートの朝焼けが目の前に。素晴らしい光景だ。そのまま岩稜地帯の急騰を息を切らせて登り続けると、やがて急峻な雪稜地帯に変わる。ここを4時間ぐらい登り続け、また、岩稜帯そして雪稜と幾度となく繰り返される。やがて、現地コースタイムで山頂を踏んだ。石坂ガイドが、頂上で握手をしてくれた。休みなく下山開始。下山の最初は雪壁だ。 下降は急駿ではあるが、思ったより楽で、ドンドン降りられる。ホーサース小屋11時50分着。昼食を取る。一座目が割と調子がよかったので、登頂を祝い祝杯!私は、体力が心配だったので、スパゲティーナポリタンを頼み、一皿全部平らげた。 Mさんは、欲しかったそうだが、人に分けるという余裕が私になく,とにかくお腹がすいていた。コーラが以外とあい美味しい。 この山の頂点から見えた山々は、モンテローザ。サースフェーの山々。アラリンホルン。ドーム。カストール。リスカム。ブライトホルン。アレッチホルン。ユングフラウ。フィンスターアールホルンでした。アルプフ―ベルは、特に台形の山で特徴がありすぐ覚えられました。その下に必ず氷河が広がっており、素晴らしい眺めだ。昼食後、今夜の宿、ワイスミ−ス小屋(3098m)に向かう。午後一時には山小屋に到着。 高度差1000m近くを登ったのだ。下りも実に快調なスピードと足取りで楽だった。石坂さんも、「すごくいい調子」と、褒めて下さった。 雪渓・雪稜下りの練習はザイルパートナーのH氏に日本で、「遅いぞ、遅い、もっと、自信を持って、踵重心に。姿勢よく。早く歩く!」と叱咤激励されながら、穂高岳、富士山、金峰山、千丈岳でと雪をあちこち求め、また 雪のない岩でも練習しました。その甲斐があったな〜と、練習が生かされたことを嬉しく思った。 「よかった〜。こんなに楽なのは練習してきたからだもんね。」楽しい楽しい縦走でした。
 それでも、こんなこともありました。下山途中のセラックの下降の所で、登って来る人と交差した時、ガイドの石坂さんは踏み跡を譲らなかったけれど、つい私は後ろの人に急かされ譲ってしまい、踏み跡からそれ、左に僅か10p横にずれた、その時、乗った雪の足元の雪が崩れ落ち、深く左足が落ち、雪にはまった。 右足が出ていたし、アイゼンをはいた足の抜き方は心得ていたので事なく抜けたが、それでも、すぐには抜けず何回か、試みなければならず、内心ヒヤッとした。石坂さんからは、「自分がしなかったことには意味があるのだから、勝手に考えて安易に氷河の所で相手に道を譲らないように」と初めて、厳しく指導された。 同じような事だが、登山学校でも、「渡辺のやることには意味がある。行動をよくみておくように」と、先生から実習で言われたことを思い出し反省した。 氷河地帯を通過していることは、石坂ガイドが走るような早足になったのと、周りの様子で理解していただけに、今一歩の注意力を持てなかった自分が情けない。そういえば先生は、赤岳でも、どこでも、岩と冬山では絶対に道は譲らなかった。相手が抜かしたいなら抜かしていけというスタンスだったような気がする。 先生曰く「私達は初心者だ。譲るのは技術が上の人がやることだ。技術の低い初心者は譲ってはならない。」とおっしゃったことを思い出した。雪山は、今登攀している山の地形や、雪の状態に熟知していないと、一歩間違えれば、大変なことになるということだったに違いない。初心者の私等は、山を知ったかぶりや、奢ってはならないという戒めなのだ。 簡単な山で難しいことを想定して実習するからこそ、難しい山でなんとか事故を起こさずに済むのだ。先生の指導のあり方がいかに実践的であったか、いまさらながらよく理解できた。(渡辺先生はやっぱり凄い!)強風の時の雪の歩伏前進も、よく練習させられたが、当時「ウソッ!でしょ」と信じ難く練習に熱が入らなかったが、冗談ではなかったのかもしれない。 その昔、ヨーロッパアルプスを自分の庭のごとく登り、知り尽くしていた先生。素晴らしい先生に教えて頂いていたことを懐かしく誇らしく思う。と共に、先生が縦横に歩いていた地に自分も今たっていることが、何とも言えず、とても嬉しくもあった。