剣北方稜線 僧ヶ岳から毛勝山
薮と岩尾根の剣岳北方稜線を残雪期に縦走する
2001年5月06日〜09日(月)前夜発
【参加者】CL=(TK)、T. 礒田 (2名)
【全コースタイム】

5月6日(金) 宇奈月温泉06:49→07:10宇奈月温泉スキー場→08:27僧ヶ岳第1登山口→08:44僧ヶ岳第2登山口→林道→斜面を登る→15:00P1431→17:17テント場(P1775m付近)

5月7日(土) テント場(P1775m付近)04:57→05:43僧ヶ岳05:54→06:59北駒ヶ岳(1914)07:10→08:02駒ヶ岳08:17→13:07サンナビキ→14:29滝倉山14:39→15:30テント場(東・南へ向かう尾根分岐に)

5月8日(日) テント場04:54→07:56ウドの頭08:01→平杭乗越→09:57西谷ノ頭10:11→東又谷乗越→毛勝山肩→13:25毛勝山(北峰)→14:01南峰→大明神山へのルート偵察→14:39テント場

5月9日(月) テント場05:22→05:29南峰→05:40コル→07:55大明神沢出合→10:11片貝山荘P1853→11:10片貝第4発電所→11:38片貝山ノ守キャンプ場
【コメント】
動機
  剣・立山から上高地まで歩いたのは21歳の夏だった。その時、剣の頂上から北に続く峨々とした岩稜の山々と谷を見て自分が歩くことができるとは思いもしなかった。登山を再開して新ハイキングの登山仲間がその剣北方稜線を歩き終えたり、計画したりしていると聞き、羨望を抱いたこともある。新ハイキングのKTさんやそのグループの皆さんと歩くようになって、剣北方稜線南半分、剣岳〜池ノ平小屋までは2005年09月24日(KTさん個人山行)と、2010年09月04日には新座山の会のSさん、Yさんと新ハイキングMTさんと共に歩くことができた。一方、北方稜線北半分は切れ切れに、2002年05月03日に毛勝三山(毛勝山〜釜谷山〜猫又山)(KTさん個人山行、MTさんと)、2007年11年27日に僧ケ岳〜駒ケ岳(新ハイ本部山行)、2010年08月06日に(大猫山〜)猫又山〜赤谷山(Hさん個人山行、Uさん紹介)を踏むことができた。こういうやり方を赤線病というのだそうだが、剣北方稜線の残りは池の平山〜赤谷山、駒ケ岳〜毛勝山、宇奈月温泉の(僧ケ岳登山口〜)烏帽子山となっていた。TKさんから昨年(2010年)初め(TKさんの都合で中止)と本年(2011年)初めに、その僧ケ岳〜毛勝山〜大明神山の残雪期縦走(新ハイキング2007年05月号p74、猪俣恵美子)を提案(KTさんと礒田に)されたので絶好の機会を失いたくないと折り返し同行をメールでお願いして計画書を頂戴した次第である。
   準備も整い、05/05夕刻、自宅出発前に、来信したMTさんからのメールを開いた。「私は、懐かしい毛勝に行こうとしました。が、車が入れません。残念でした。まあ、天気も悪かったし、仕方ない」とあり、一抹の不安を感じた。が、用意周到なTKさんに同行するのだから、予定の場所までは、タクシーは入れるだろうと気楽な気持ちで家を出た。
   天気予報も富山県東部(富山)魚津市は05/06晴れ09/18℃、05/07 晴れ後雨、25/14℃、05/08曇、22/14℃、05/09 曇時々晴れと05/07に気圧の谷か前線が通過するようだが早く行動すれば雨はテントの中で凌げるだろうと思った。実際、縦走中は予報どおりの変化で05/06晴、05/07晴れ後夜に雨、05/08曇で毛勝山登りの「天国の坂道」から霰・霧があったものの、夕刻から晴れて放射冷却で氷点下、翌日の05/09は曇時々晴れでまずまずの天気であった。

終えてみての感想

   密薮や草付、岩、ザレ、小岩峰、「天国への坂道」という急斜面など一通りの障碍がある、残雪期しか踏破できない難路と言われていた駒ケ岳から毛勝山までの尾根を無事踏破できたことにまず満足、毛勝山南峰から見た360度の展望もその次に満足できるものだった。大明神山への縦走路は急斜面に密薮が出ていたので残念だがエスケープの毛勝谷を片貝まで下ることになった。そのせいで、2002年連休に喘いで登った急な雪斜面を、今回は肝を冷やしながら下って、思い出を重ねることになったのもうれしい。雪壁・雪傾斜面、薮急斜面のルート選択判断に礒田よりはるかに優れ、終始、先頭を歩いてくださったTKさんのお陰で成功したと感謝している。
   この冬は例年より雪が多かったと地元の方達から聞いた。さらに、連休後半は好天続きで多いという残雪は軟らかくなり、細尾根に薮と岩が出て、例年より歩く条件が厳しかったと思われる。その上、さらに幾つか誤算と悪い判断が重なった。まず、いつもなら連休には片貝川の奥まで林道通行ができるのだが、今年は片貝山ノ守キャンプ場で通行止め・閉鎖されていた。ここと片貝第2発電所の位置関係が分からず、「運転手が言うように発電所がはるか上流ならばさらに3時間は余分な林道歩きが必要、宇奈月温泉から僧ケ岳・烏帽子山登山口までタクシーで登れば予定通りに僧ケ岳でテント泊ができる」と判断し、宇奈月温泉回りに切り替えた。しかし宇奈月温泉にタクシーはなく、林道も宇奈月温泉駅のすぐ近くで交通止め、しかも2007年11月27日に通った僧ケ岳・烏帽子山登山口までの林道に礒田がこだわりすぎ、僧ケ岳第2登山口から尾根徒歩道を選ばなかったために2〜3時間は余計な時間がかかり、予定のテント設営場所まで到達できなかった。その結果、予備日を使う羽目になってしまった。今後は出発前に林道の状況・情報を他の関係機関にも事前確認しておくことにしたい。 最も問題なのは礒田もGPSを持参していたのに、出発前に片貝第2発電所と片貝第4発電所の経度・緯度の値を地図に記入していなかったことだ。片貝山ノ守キャンプ場でGPSで経度・緯度を測定して比較できていれば、現在位置と発電所の位置関係が分かり、当初計画どおり落ちついて行動できたのにと思う。
   装備についても課題がある。新座山の会の2〜3人用テント(エスパース)は防水性に乏しい。05/08夜の風雨でテントの中に雨水が漏れ、装備が濡れてしまった。フライ・本体の防水性を向上する処置をすべきであろう。礒田のハイネックの冬靴はTKさんのローカットの靴よりどうも歩きにくいようだ。未熟な運足技術と相まって、雪急斜面の登り、下りや雪壁登攀、下降にかなりの遅れが出た。アイゼンも冬靴に合わせてあるし、余分な出費は財布が痛い。次のシーズンまでにどうするか考えよう。急斜面降下時、潅木密林で撥ねてきた枝に帽子を飛ばされて、回収することができなかった。帽子にクリップバンドをつけていたのに襟に結んでいなかったのが原因だ。眼鏡、帽子などにつけたバンドや紐は必ず体に結合するようにしたい。
   密薮、潅木密林の薮漕ぎ、薮降下で膝上に打ち身、掻き傷が多数、夏道で転倒した際に足がもつれて左内股にアイゼン刺し傷、雪壁・急斜面降下の繰り返しで両足小指上に肉刺、2回目の小滑落で顔に擦り傷など今回は久しぶりに怪我が多かった。しばらく薮漕ぎ山行を怠っていたせいで薮を抜けるのが下手になっていたと思われる。新座の近くに密薮急斜面を見つけてトレーニングを繰り返したい。
   これで剣北方稜線は赤谷山〜池の平山が残った。TKさんから新ハイキングに書いた原稿とGPS歩跡を頂戴したので早い機会にこのコースも踏破したいものだ。
   長い林道歩きも春の花を楽しむのには良い。復路の片貝では、カタクリ、キクザキイチゲ、ヤマエンゴサクの群生地があった。それらに加えて何箇所かにコシノバイモが生えているのにも気づいた。林道が通行止めになっても悪いことばかりではない。花の群生地の下流から片貝山ノ守キャンプ場までエッソ系富山石油のタンクローリー車に便乗させていただいて疲れた足を楽にさせることができた。感謝、感謝。 なお、下山して汗を流した辻わくわくランド(電0760-24-7447)は料金が\450と安く、広くて気持ち良い。魚津駅から少し離れ、石鹸・シャンプーの無料サービス・酒類の販売がないので、貸し切りバスなどで山行するときなどには活用できるであろう。一浴後に遅い昼食を頂いた、魚津駅前 堀内食堂(電話0765-22-0860)は、昼食時間後のお休みにかかわらず、季節の地魚を料理し、蜃気楼など魚津の話も聞かせてもらった。また大明神山に登る機会があれば季節の地魚を味わいたいのでぜひ立ち寄りたい。
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